土地を有効活用し、ワンフロアでつくる空間の広い平屋は、開放的で居心地の良い空間を作ることができます。
しかしながら、限られた狭い土地に平屋を建てると間取りも小さくなり室内の空間も単調になってしまいます。
そこで、限られたスペースを利用して、単調な平屋の間取りや空間に変化をもたらす中二階の設置のメリットや注意点などを紹介します。
INDEX
- 中二階とは?
- 中二階とロフトとはどう違う?
- 平屋で中二階を作るメリット・デメリット
- 平屋で中二階を設けるのがおすすめな場合
- 平屋で中二階をつくる際の注意点
- 中二階を設けた場合の平屋の間取り例8つ
- 中二階を設けて、自由自在な平屋デザインを実現しよう
中二階とは?
中二階とは何でしょうか?
簡単に言えば、普通の二階よりは低く、平屋よりはやや高く造られた階のことです。
つまり、建物一階と二階の中間に設けられた空間のことを指します。
一階の床レベルと高低差を付けた空間をスキップフロアと言いますが、中二階とスキップフロアは似たような意味で使われることもあります。
高さに制限がある土地に建てる住宅や、敷地が傾斜してる場合などによく用いられています。
中二階とロフトとはどう違う?
建築基準法では、ロフトとスキップフロアも同じ位置付けになっています。
一般的には中二階で作られたスペースは居室空間として、子ども部屋や寝室などに使用するのに不便がない空間です。
一方、ロフトは高さが最大で1.4m以下とされ、大人は立って歩くことができないため居室としては使いづらくなります。
収納スペーなど生活の補助的な空間として利用されています。
また、ロフトや屋根裏収納は最上階上に設置され、階段ではなく簡易的なはしごで上がるケースが多いです。
簡単に分けると、ロフトは物置的なサブスペースで、中二階はしっかりした居住スペースというイメージになります。
平屋で中二階を作るメリット・デメリット
二階建ての住宅とは異なり、平屋の住宅は土地や家自体を大きくしなければ、広い居住空間を確保するのが難しくなります。
しかし、平屋でも中二階を設置することで限られた建築面積を有効活用できます。
中二階を設けることで解決できるメリットや、逆にデメリットになる点などを紹介します。
平屋に中二階をつくるメリットは3つあります。
デッドスペースの有効利用
平屋の屋根裏などのデッドスペースを利用して中二階を設置すれば、土地や床面積を広げることなく居住空間を確保できます。
ファミリースペースよりも天井高は低くなりますが、寝室や子ども部屋などに利用するのにはぴったりの空間になるでしょう。
二階建てに比べて、居住スペースを広く取るのが難しい平屋では、中二階の設置によるデッドスペースの有効活用は大きなメリットになります。
二階への階段よりも上り下りしやすい
長く住む家だからこそ、将来を見据えた時、年齢を重ねて足腰が弱くなる可能性があります。
平屋に中二階があれば、二階建てに比べて長い階段ではなく緩やかな短い階段なので、高齢になっても上り下りが苦にならず快適に生活できます。
区切りすぎない、広がりの空間
通常の部屋の間取りは、各部屋ごとに仕切りや壁、ドアなどで仕切られています。
個々のプライベートな空間は確保できますが、仕切ることで空間が分断され狭くなります。
しかし、中二階であれば、同じ空間の中につながりをもちながら別のスペースをつくることができ、広がりのある空間が生まれます。
高低差があるので、視線はずらして変化をつけながらも、空間を共有できるので家族のコミュニケーションもしやすくなります。
リビング近くで作業するためのワークスペースや、趣味などの部屋に利用できます。
中二階のデメリットは?
以上のように平屋で中二階をつくることのメリットもありますが、デメリットもあります。
平屋の場合、屋根裏のスペースを利用して中二階を設置しますが、設置されてない天井部分との高低差ができ室温の管理が難しくなります。
例えば夏、隣接する部屋は快適でも中二階が暑すぎて快適に過ごせないなどが考えられます。
空調や換気管理が行える設計に配慮が必要です。
また、中二階の天井はそれ以外の居室の天井に比べて低くなります。
そのため、中二階では座ってリラックスして過ごすことや、小さな子どもが利用するスペースなど使用目的が限られます。
平屋で中二階を設けるのがおすすめな場合
デメリットもある平屋での中二階の設置ですが、中二階を設置することがおすすめな場合もあります。
例えば、子ども達が巣立って夫婦二人だけの場合、生活に必要な居室も少なくてすみます。
それぞれの趣味で自由に使える部屋も欲しい場合などに中二階があれば、同じ空間でありながら趣味の時間をそれぞれの空間で過ごせる場合などはおすすめです。
また、狭小地を利用して平屋を建てる場合も、限られた土地で居室面積を確保して広い縦空間を有効に利用したい場合も、中二階はおすすめです。
平屋で中二階をつくる際の注意点
メリットやデメリットもある中二階ですが、検討する際に注意点があります。
平屋の中二階の設置は、その分だけ材料費や施工の手間が増えコストがかかります。そのため費用が高くなってしまいます。
また、ロフトのように高さを1.4m以下に抑えられれば床面積に含まれないので固定資産税の算出から除外され、固定資産税が安くなる可能性があります。
しかし、居室として使用する中二階の場合、高さが1.4mを超えれば床面積としてカウントされるので、固定資産税も高くなってしまいます。
以上の点を踏まえて検討する必要性があります。
中二階を設けた場合の平屋の間取り例8つ
平屋で天井を高く吹き抜けにして中二階を設置する
平屋の天井裏を利用して吹き抜けの空間をつくり、そのスペースに中二階を設置します。
そうすることで平屋でも空間を広く開放感のある間取りを実現できます。
中二階の階段部分に収納スペースを確保する
一階から中二階に行く階段の下には収納できるスペースをつくり、空いたスペースを無駄なく利用できます。
収納スペースがあることで物が片付き広くすっきりした部屋を確保することができます。
皆で過ごす、一人で過ごす、メリハリのある空間
ワンフロアのダイニングリビングに中二階を設けて、みんなで過ごせる空間と、個々で過ごせる空間をそれぞれ確保すれば、家族の自由時間を楽しむことができます。
天井窓を設置して、採光と風通しをよく
平屋でも中二階の天窓から採光を取り入れ、明るい部屋を確保できます。
また、開放感ある窓からは風を入れることができます。
ビルトインガレージを設置して、その上に中二階の窓のある屋根裏部屋をつなげれば、出入りのできるベランダをつくることもできます。
異なるデザインが共存できる
通常であれば壁やドアなどで仕切られる居室も、中二階を利用すれば、同じ空間に壁やドアなどの仕切りが無くてもタイプの違う部屋を配置することができます。
例えば、洋室仕様の中二階の下に主に座って過ごせる和室の部屋を配置することも可能です。
和室だと天井が多少低くても気にならないため、違和感のない設計ができるでしょう。
また逆に、中二階に畳を敷いてゴロゴロする空間にしても良いですね。
平屋でも天井を高く開放的に
暗くなりがちな平屋住宅でも、天井を高くしたっぷりの窓や照明を設置すれば十分な明るさを確保できます。
また、上部はオープンスペースにしてそれぞれの居室を確認することができます。
勾配のある屋根でおしゃれな外観に
平屋でも中二階を設置して天井高さを確保するために、急勾配の屋根をつくります。
勾配のある屋根が建物のアクセントになりおしゃれな外観になります。
土地の高低差を活かした中二階で、中庭をコの字型で囲む
傾斜のある土地の場合、土地を平らにする造成工事を行わずに、その高低差を利用して中二階を設置するのは良いアイデアです。
また、中庭をコの字で囲むことで外からの目隠しとプライバシーを確保できます。
中二階を設けて、自由自在な平屋デザインを実現しよう
平屋の限られる単調な間取りに中二階を設置することで、家族の希望にあった多彩な間取りを実現することができます。
小さな子どもがいる家族には家族の様子が見渡せるワンフロアの空間を実現し、夫婦二人だけならそれぞれ自由に使える居室をつくることができます。
それぞれの家族に合った理想の平屋の家づくりを考えるなら、中二階も一つのアイデアとして検討されてはいかがでしょうか。
私たちは設計士や施工管理士といった建築のプロでありながら、全社員が「信州コンシェルジュ」として豊かな信州ライフをサポートしていきます。
家づくり関連の人気記事
22/10/17 注文住宅における人気の間取り11選!失敗しないためのポイントも解説!
21/05/19 無垢の木とは?無垢材の特徴やお手入れ方法を徹底解説
21/10/23 土間のある家の活用方法やメリット・デメリットとは?コツや事例10選を解説!
21/10/23 土間サロンで何する?土間のある家 実例36選
22/10/31 新築のキッチンで失敗・後悔しない!サイズや配置、オプションなどのポイントを解説