土間と言っても、ピンと来ない人も多いかもしれません。現在では土間は玄関の一部となり、土間としての機能も失われています。しかし土間の魅力を見直す動きも出てきており、土間を設けた家も建てられるようになって来ました。土間の新たな使い方もあるようです。土間とは何か、土間を作るメリットとデメリットについてご紹介します。
INDEX
土間とは?
江戸時代や明治時代などを扱った時代物のドラマを見ると、女性が履物を履いて台所で調理しているところを見ることができます。明治時代に西洋化が進むまで、日本の家屋には土間があるのが一般的でした。土間は屋外から続く土足で歩ける広い空間で、台所が併設されていました。雨の日に農機具などを手入れする場所として使われたり、近所の人との井戸端会議に使われたりとフレキシブルに利用されました。土間は漆喰を塗り固めた三和土(たたき)やコンクリート、タイルなどでできています。しかし昔は土がそのまま露出している場合もあり、「土(ど)の間」が土間になったと考えられます。
土間を作るメリット・デメリット
メリット
現代の家に土間を作る目的は、昔とは異なっています。しかし、多目的に使えるという点は変わりません。広さにもよりますが、決められた用途はないので自転車やバイクなどを置くガレージとして使うことができます。ベビーカーの置き場所にも困りません。
雨の日には子供の遊び場として使ったり、洗濯物の避難場所になったりします。子供が、大人の目の届く場所で遊んでくれると安心ですよね。濡れた傘やレインコートを、一時的に置いておくのにも適しています。散歩から帰った犬の足を、拭いてあげるのにも便利ですよ。
土間の仕上げ材は汚れに強く、汚れたら水洗いできて乾きも早いのが特徴です。床や畳では汚れや傷が気になる荷物なども置くことができ、作業スペースにもなります。キャンプ用品や釣り竿など趣味で使うものを置くことも可能ですが、特に雨に濡れると錆びてしまう金属製品の保管に最適です。灯油のストーブを使っている場合には、ポリタンクも置いておけます。コンクリートなどの土間の仕上げ材やディスプレイによって、お洒落な空間を演出することもできます。土間の奥にリビングを設けると奥行きが出て、部屋が広く見えます。
デメリット
土間はスペースを必要とするので、場所を取られて住居部分が狭くなる可能性があります。土間の設置には、リビングやダイニングなどとのバランスを考える必要がありそうです。
また、地続きの土間と、居室の床には段差ができます。高齢者や小さな子供がいる場合は、落ちて怪我をしたりしないように注意が必要です。高齢になったときのためにできるだけ段差を少なくしたり、簡単にバリアフリーにリフォームできる構造にしたりしておくとよいでしょう。
また、土間は寒いのでは?という心配もあると思います。断熱材の使用や、サッシの性能などを確認したいところです。土間と居室の間に襖などの建具で間仕切りを作ることでも、特に冷え込む日の対応が可能。逆に夏はひんやりとして気持ちがよいので、間仕切りを引き戸などにして必要に応じて開け閉めすることで快適な空間が生まれます。
土間の活用方法とは?
住宅に土間を設けている人たちは、次のような使い方をしています。
土間リビング
土間をリビングにしてテーブルやソファを置けば、くつろいだり来客を迎えたりできます。夏はひんやりと気持ちよく、冬はラグを敷いて温かく使えます。気の置けない仲間が集まるのにぴったりの空間です。テーブルや椅子がなくても、居室との段差に腰かければ靴を脱ぐことなくおしゃべりも楽しめます。
キッチンとして利用
もともと土間にはカマドがありました。現代の家で土間をキッチンに利用するメリットは、何と言っても掃除のしやすさです。台所では食材を切ったり、様々な調味料を使ったりします。切ったトマトを床に落としてしまったり、醤油やサラダ油をこぼしてしまったりすることもあるかもしれません。しかしもともと土足で使う場所ですから、水はねにも強く慌てずに掃除ができます。土足なので履き替えもなく、ゴミ出しも楽ですよ。ダイニングスペースと、土間の段差を利用したダイニングテーブルを設置することも可能です。土間側は椅子に、リビング側は座卓にすれば土足のまま食事をすることができ、キッチンで用事をすることもできます。土のついた野菜でも、家の中が汚れることを気にせずにキッチンに運び入れられます。
土間収納を作る
土間には様々なものが置けますが、人目も気になりますよね。そんな時は扉を付けて土間収納を作ることで、出かける時に必要なものがすっきりと片づきます。長靴や自転車用のヘルメット、ベビーカーや砂場セットも収納できます。寒い季節にはコートもかけておくと、コートに付いた花粉などが居住スペースに入りません。非常用グッズも置けますよ。ガーデニングの趣味があるなら土の付いた道具なども置けるし、台風などのときも鉢植えを玄関の中に入れておくことができます。裏動線を設けて、来客の目に付かない場所を分別ゴミの仮置き場にすることも可能です。
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土間を作る時の注意点とは?
土間を作るときには、次のような注意点があります。
仕上げ材の選び方
コンクリートやタイルなどの土間の仕上げ材は、居室との調和を考えた色や素材にしましょう。仕上げ材の色によっては汚れが目立ちます。使う素材によって費用に違いが出ることも注意点です。どのような素材にしても、水に強くメンテナンスが楽というメリットはあります。土間は様々なものを持ち込み汚れやすい場所でもあるので、水道栓や排水設備を用意しておけばさらに手入れが楽になります。
寒さ対策
デメリットとして挙げた土間の寒さですが、断熱材を入れておくことで底冷えを防ぐことが可能です。家の気密性を高めることも、寒さ対策になります。
プランをしっかり練る
土間の活用法は、家を建てる人の数だけあります。家を建てる地域や建物の構造などによっても、気を付けなければならないことは異なります。土間リビングにするならある程度の広さがないと家具が置けなかったり、狭苦しくなってしまったりするかもしれません。自転車をしまう場合ならディスプレイのような見せる収納にしたいのか、目隠しを作って来客から見えない場所に置きたいのかによって土間の設計が変わります。家族の意見も取り入れながら広さや仕上げ材、土間の形などを考えて理想の土間にしましょう。
工房信州の家が手掛けた土間がある住宅
長野古牧展示場 土間サロン
広がり間取りをめいっぱいに広げ、土間サロンからダイニング、キッチンまでオープンに、友人などとパーティーを楽しめる空間。外のテラスへフルオープンにつながり、外の緑をダイレクトに感じることができます。リビングとの間には、建具を設け、仕切られる工夫も。
松本展示場 土間サロン
カラマツの天井板が土間サロン~ダイニング~キッチンへと繋がり、空間の一体感を演出。デザイン性と収納力を持ち、そこにあるだけでマニッシュな雰囲気をつくり出せるアイアン仕様のラックは、工房信州の家オリジナルです。
諏訪展示場 土間サロン
二世帯住宅を繋ぐ役割を担う、通り土間スタイル。テラコッタタイル敷きで、優しいベージュカラーが家族が集う団らんの場にぴったりです。中心に薪ストーブを置き、家族だけではなく、友人やご近所の方も自然とくつろぐ土間サロンになっています。
まとめ
「土間」についてご紹介しましたが、いかがでしたか? 昔の当たり前にあった土間を、現代の環境や暮らし方に合わせ、新たにご提案しているのが、工房信州の家「土間サロン」です。県内9か所の展示場はもちろん、土間サロンのお客様実例も豊富!実例を見てみたい方は、webカタログまたは、資料請求からお問合せ下さい。また、土間サロンは体感がおすすめ。お近くの展示場へお立ち寄りください。ご予約も可能です。
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