家の外壁は、外からみたときに家の印象を決めるとても大切な部分。
家の内装にはこだわる方も多いですが、外装も同じく重要な部分です。
今回は、そんな家の印象に大きく関わる外装について、ポイントやおすすめの外装をご紹介します。これから新築を建てるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
INDEX
おしゃれな外壁の家の「色」
家の外壁に使われる色はたくさんありますが、色によってどのような違いが出てくるのでしょうか?
ここでは、おしゃれな雰囲気を出せる外壁の色と、その特徴をご紹介していきます。
ネイビー
ネイビーはモダンでおしゃれな印象を与えてくれるため、最近は外壁の色の中でも人気の高い色です。暗めの色にしたいけれど、ブラックだと暗すぎる、という方にもおすすめの色です。また、ネイビーを単色で使うだけでなく、ホワイトなどのカラーと組み合わせることで、ネイビーの色が引き立つモダンで上品な外壁をつくることができます。
ネイビーのガルバリウム鋼板がスタイリッシュな印象の外観です。下屋部分や戸袋の板張り部分と合わせることでシンプルになりすぎず温もりも持ち合わせたデザインとなっています。見上げるとよく見える軒天部分も板張りとすることまとまった雰囲気の外装です。
グレー
グレーは落ち着いたシックな印象を与えてくれる色です。見た目の印象がよいだけでなく、外壁に付着する泥や汚れ、ホコリや苔といった中間色の汚れなどを、目立たなくしてくれる効果があるため、機能面でみてもおすすめの色といえるでしょう。メンテナンスの手間も省くことができるため、おしゃれでありながら一石二鳥の色です。
急勾配の片流れ屋根とグレーの外壁が相まってシャープな印象のお家です。ブラックのフェンスと窓枠も統一感がありますね。
玄関脇に植えられた植栽が温かみを添えてくれています。
ホワイト
ホワイトはシンプルながらも清潔感があり、どんな住宅街でも馴染みやすいのが特徴です。特にそのシンプルさから、自然の多い地域に馴染みやすいといえるでしょう。ホワイトのデメリットとしては、外壁に付着する汚れが目立ちやすくなってしまうことです。そのため、清潔感を保ちたい方は、定期的なメンテナンスをおこなう必要があるでしょう。
田園風景の中で目を引くホワイトの外壁。
ポーチ柱や赤いポスト、植栽がアクセントとなり家の表情を豊かにしています。
南西方向から見ると玄関側とは打って変わり、板張り部分のブラウンとホワイトとのコントラストが目を引く外観です。ブラックの窓枠と煙突が全体を引き締めています。
ベージュ
ベージュは、ホワイトに少し黄色が入っている色で、外壁に使われることの多い色です。洋風な家にも和風な家にも合わせることができ、不動の人気を誇っています。見る人に柔らかく気品ある印象を与え、落ち着いた雰囲気を演出することができます。しかし単色でベージュのみを使った外壁は、地味で目立たなくなってしまうことも多いため、アクセントカラーやワンポイントの色を取り入れることで、個性を出すのもよいでしょう。
ベージュの外壁が優しい印象の外観です。
オレンジの色味が効いた木の部分との相性がとても良いですね。木塀や玄関ドア、柱や布団干しなどの色を統一してアクセントとしています。
ブラウン
ブラウンは、素朴ながらも伝統的な味わいのある色です。日本だけでなく、世界的にも多く使われている外壁の色です。レンガ調の外壁にすると、シックで高級感のある雰囲気を出すことができるでしょう。また、外壁をブラウン単色で統一することで、素朴ながらもブラウンのよさを生かしたデザインに仕上げることができます。
一階部分の板張りを濃いブラウンとし、二階部分はブラウンと馴染むベージュの外壁です。一階部分に落ち着いたブラウンを用いることで安定感が出ますね。すっきりとした片流れの外観も素朴なブラウンの色味で温かみのある家に仕上がっています。
ブラック
ブラックは、重厚感と高級感を演出できる人気の色です。シックでモダンな家にもよく似合うため、近年街中で見かけることも多い色です。ブラックは、現代的な建物との相性がとてもよいため、モダンな家の雰囲気をつくりたい、という方は外壁をブラックにするのがおすすめです。また、ブラック単色だと印象が暗すぎる、という方はホワイトなどの色と組み合わせることでよりおしゃれな雰囲気を演出できます。
家の外部全体にブラックを採用した家です。
ブラック単色だと重たい印象になるところ、玄関前の縦格子やカーポートの柱などに明るいカラーを採用することで軽やかさを演出しています。
玄関上部の大きなフィックスの窓もすっきりとしてモダンなブラックの外観とよく合っていますね。
おしゃれな外壁の家の「素材」
家の外壁には、さまざまな素材が用いられます。外壁を選ぶ際は、色だけでなく素材もみるようにしましょう。
素材によって、「和風」か「洋風」か、「モダン」か「伝統的」かなど、印象もがらりと変わります。
ここでは外壁に使用されることの多い、おすすめの素材をいくつかご紹介していきます。
サイディング
サイディングとは、現在住宅業界で主流となっている、外壁の素材のことを指します。サイディングのなかにも窯業系、樹脂系、木質系、金属系などさまざまな種類があるため、自分の演出したい雰囲気によってサイディングを選ぶことが重要です。サイディングのメリットは、なんといってもコストを安く抑えられることです。また、掃除のしやすい素材が用いられていることも多いため、メンテナンスも楽におこなうことができます。さまざまな種類のサイディングがありますので、自分の好みの雰囲気に合ったものを選びましょう。気になる方は、ぜひインターネットなどで調べてみてください。
二階部分のブラックの窯業系サイディングと黄色みの強い一階部分のスギの板張りのコントラストが効いた外観です。
物干し場からガレージまで一体となってかかった下屋がシャープさと重厚感を併せ持ち素敵ですね。
モルタル・漆喰
モルタルや漆喰は、「塗り壁」に分類されます。では、それぞれどんな材を指しているのでしょうか。順番に特徴をみていきましょう。
まず、モルタルとは、セメントと砂、水を混ぜて練ったものです。モダンでスタイリッシュな印象を与えることができるため、現代的な家を建てたい方におすすめの外壁です。一方、漆喰は、消石炭にのりなどを混ぜた材のことで、日本のお城の外壁などに使用されています。白い色を長年保つことができ、和風な雰囲気の家にもよく合います。モルタル・漆喰どちらも重厚感のある雰囲気を演出することができ、仕上げによっても雰囲気が変わるため、唯一無二の壁となります。また、サイディングのようなつなぎ目もないため、外壁の配色をアレンジしやすいのも魅力のひとつです。
タイル・レンガ
タイルやレンガといった素材の特徴は、重厚で高級感のある雰囲気を演出できることです。また、平面的な壁というよりかは、立体感のあるデザインの壁になります。近年はサイディングでタイル調のものやレンガ調のものもありますが、実際のタイルやレンガを使用した家は見た目にも高級感が格段に上がります。このタイルやレンガをつかった外壁のデメリットは、やはりコストが格段に上がってしまうことです。予算的に厳しいけど取り入れたい、という方は、部分的に素材を使用するのもおすすめです。
玄関の周囲を鉄平石張りの仕上げとした例です。
鉄平石は長野県の諏訪や佐久地方でよく採れる板状に割れやすい天然石です。様々な色味が現れる鉄平石は表情豊かで内外装に使われます。本物の石を使った外観はどっしりとした重厚感が出ます。玄関ポーチにも同じ鉄平石を敷きました。ダークブラウンのカラーで塗ったポーチ柱や玄関ドアも周囲の鉄平石と馴染みます。
ガルバリウム鋼板
現代的でスタイリッシュ、かっこいい外壁にしたい、という方であれば、金属系サイディングのなかの「ガルバリウム鋼板」という材を使用することで、一気にモダンな雰囲気を演出することができます。ガルバリウム鋼板は軽量ながらも耐久性も高いため、金属製の外壁のなかでは人気の高い素材です。また、金属製の外壁のなかでは防水性も高く、さびにくいといったメリットもあるため、外壁におすすめの材ということができます。
もともとスタイリッシュな雰囲気を持つガルバリウム鋼板ですが、ブラックとホワイトのモノトーンカラーとすることでかっこいいさっぱりとした外観に仕上がっています。玄関回りのホワイトの部分は板張りとなっており、クールすぎずバランスの取れた外観となりました。
こちらのお宅もメインはグレーのガルバリウム鋼板仕上げとしています。土間サロン部分はアクセントでホワイトの塗仕上げです。
家づくりには外壁のテーマも重要
家づくりをする際は、外壁のテーマをあらかじめ決めておくことが重要です。
外壁のテーマによっても、家の雰囲気はがらりと変わります。
ここでは、家づくりにおすすめの外壁のテーマを4つご紹介します。
シンプルモダン
シンプルモダンな家は、直線的でスタイリッシュ、都会的な雰囲気を演出することができます。外壁にはブラックやホワイト、グレーといったモノクロの色が用いられることも多いです。モダンな雰囲気が合う住宅街でも近年人気を集めています。シンプルであるため、時間が経っても飽きにくく、長期的にみてもおすすめのデザインです。
直線ラインが引き立つ片流れの平屋です。ホワイトの外壁に煙突と窓枠のブラックのシンプルなカラーもスタイリッシュな印象です。全体的にスマートな外観に外土間部分の板張りが温かみをプラスしてくれています。
ナチュラル
ナチュラルは、周囲の環境とも馴染みやすいデザインです。自然的で優しい雰囲気を演出できるため、自然の多い環境にもよく馴染みます。ナチュラルなデザインには、ベージュや茶系の色、素材は木など、あたたかみのあるものがよく合うため、ナチュラルな雰囲気を出したいという方はぜひ取り入れてみてください。
のどかな風景に溶け込む優しいホワイトとグレーの外観です。自然の中では個性を主張するよりも周囲に馴染む家がしっくりきます。玄関回りやウッドデッキはナチュラルな木本来の色味を採用しています。
和モダン
和モダンとは、現代建築と伝統的な日本の「和」のデザインを兼ね備えたデザインで、近年人気を集めているデザインです。落ち着いた印象を与えてくれるため、近隣の雰囲気に合うだけでなく、個性的な印象も与えてくれます。和モダンにはホワイト、ブラック、濃いブラウンなどの色がよく用いられます。
大屋根に乗った腰屋根や面格子が和の雰囲気を演出しています。下屋部分をブラックとし、落ち着いた雰囲気でまとまった家となっています。綺麗に積み上げられた薪もアクセントのように外観にぴったりな味を付け加えていますね。
ヨーロピアン
ヨーロピアンとは、その名のとおりヨーロッパ風のデザインのことを指しており、ホワイトを基調とした洋風な外観が特徴です。素材としてはレンガ、タイルなどがアクセントとしてよく用いられます。植物との相性もよく、自然を取り入れた庭を造りたいという方にもおすすめのデザインです。
屋根から外壁、玄関ドアに雨樋、窓枠までホワイトで統一した例です。一階部分の窓の格子やポーチライト、植栽の可愛らしいテイストがホワイトのカラーとよく合っています。
家の側面は一部板張りにし、窓の配置にもこだわりました。
ヨーロピアンな雰囲気に統一しつつも、見る方角により違った表情を楽しめる家となりました。
おしゃれな外壁をつくるポイント
ここまで外壁におすすめの素材や色、テーマをみてきました。
ここからは、おしゃれな外壁をつくるためのポイントをいくつかご紹介していきます。
事前にテーマを決めておく
外壁づくりで重要なのは、まず事前に自分がどんなテーマで家をつくりたいのか、テーマを考えておくことです。
先ほど紹介したような、シンプルモダン、ヨーロピアンといったイメージを決めておくことで、どのような色や素材を選択するとよいのか、見極めが簡単になります。
たとえば、モダンで都会的な雰囲気の外観をつくりたい方は、外壁の素材としてガルバリウム鋼板やモルタル、モダンなサイディングを選んだり、色もネイビーやホワイト、ブラックなどに絞ることができるため、イメージもしやすくなります。
このように、まずは最初に家の外装のテーマをイメージすることが、外壁づくりのポイントとなります。
色数はほどほどに
せっかく家を建てるのだから、さまざまな色を用いた外壁にしたい、という方もいると思いますが、外壁の色数は少なめにするのがおすすめです。
外壁に使用する色数が多すぎると、全体的に雰囲気のまとまらない印象を与えてしまいます。
全体のバランスを統一するためにも、外壁の色は多くても3色以内にとどめるように注意しましょう。
アクセントカラーで華やかさアップ
外壁に華やかさを与えるのに、アクセントカラーを加えるのもおすすめです。
アクセントカラーを加えることで、一気に華やかさが増し、魅力的な外観になります。
また、色だけでなく、一部をタイルやレンガなど異なる素材を取り入れることで、個性的でアクセントの光る外観となります。
アクセントに取り入れる素材によっては、外壁の補強として役に立つ場合もあるため、機能面でみても、アクセントで異なる素材や色を取り入れるのはおすすめです。
ツートンカラーを活用
外壁をホワイトとブラック、ブラウンとベージュなどのツートンカラーで塗り分けると、一気におしゃれな雰囲気が演出できます。
とくにツートンカラーは、塗り分け方や色の組み合わせによって雰囲気がガラリとかわるのが特徴。
例えば、色を縦で塗り分けるとスタイリッシュに、横に塗り分けると重厚な雰囲気になります。
そのため、あらかじめ実際にデザインを目で見るなどしてイメージしておくことが重要です。
外壁の色選びの注意点
外壁の色を決める際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
ここでは、そんなポイントを3つご紹介します。
周囲の環境に配慮しよう
外壁の色を決めるときには、周囲の環境に配慮する必要があります。
近隣環境との外観があまりに違いすぎると、近所で悪目立ちしてしまう可能性があるためです。
外壁の色を決める際は、まず周囲の環境を事前にリサーチし、どのようなデザインの家が多いのかをみておきましょう。
また、家を建てる場所によっては、自治体で「景観ガイドライン」が設定されている場合もあります。
この「景観ガイドライン」とは、街の景観を損なわないために、自治体が独自で定めているルールのことです。
こういった地域では外壁に使用できる色も制限されてくるため、まずは自分の建てたい地域で、こういった条例がないかどうか、あらかじめ調べておきましょう。
面積効果を知っておく
外壁の色を決める際は、色ごとにどのような面積効果があるのかを、あらかじめ調べておきましょう。
たとえば、明るい色は面積が大きいと明るく見えやすく、逆に位色は面積が大きいほど暗く見えやすい、といった特徴があります。
実際にカタログなどで外壁の色をみた場合と、面積が増えて実物で見た場合とでは印象が大きく異なることもあるため、実際に希望の色が使用されている建物を見るなどしてリサーチをおこなっておきましょう。
家全体のバランスに配慮する
外壁の色を決める際は、屋根やドアといった箇所に使用する色との調和を確かめ、外壁との印象が悪くならないような配慮をおこなう必要があります。
外観にまとまりがないと、チグハグな印象を与えてしまう場合があります。
とくに屋根の部分は、家の大部分を占めるため、外壁との色合いでアンバランスにならないようにする必要があります。
ひとつひとつの箇所をみて満足しても、実際完成したらイメージと違っていた、といったことはよくありますので、注意しましょう。
まとめ
外壁を選ぶ際のポイントや注意点をまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。
外壁は、家の印象を決める大切な部位です。新築で家を建てる際は、満足のいく外壁にできるよう、事前にリサーチをしっかりとおこなっておきましょう。
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