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夏を乗り越える涼しい家の特徴とは?施工事例6選とポイントをご紹介!

公開日:2023/07/03(月) 更新日:2024/07/11(木) 家づくり信州の暮らし

夏を乗り越える涼しい家の特徴とは?施工事例9選とポイントをご紹介!

いよいよ夏本番、今年も暑い夏になると言われていますよね。
とどまる所を知らない温暖化の中で、家を建てる時に夏涼しく過ごせる家にするというのは重要なポイントです。ここでは涼しい家を実現するためのポイントや涼しく過ごして頂いているオーナー様の声をご紹介していきます。建築前の参考にしてくださいね。

 

 

目次

 

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断熱性・気密性とは?

キッチン横の窓

断熱性と機密性は住宅の快適さを左右する重要な役割を担い、夏でも涼しく過ごせる家を実現するために欠かせないポイントです。

 

・断熱性

断熱性とは、家の外と中で熱が伝わらないように熱を遮断する能力を示したものです。
断熱性が高い家であれば、部屋の温度が外気温に左右されにくくなり、夏は室温の上昇を防ぎ、冬は寒さから室内を守ります。そのため、一年中快適な室温に保つことが可能になります。
また、暖房で温めた家の中の熱も逃しにくくなり効率的に快適な室温を保てるため、光熱費を抑えられるというメリットもあります。

 

・気密性

住宅における気密性とは、家の隙間を減らして室内外の空気の出入りをどれだけ防いでいるかを表す言葉です。
気密性が高い住宅は、室内の空気が外に漏れにくく、外の空気の侵入を防ぐため、季節問わず快適な室温を保てるようになります。住まいの断熱性と機密性を高めることで、室温が外の熱や空気に影響されにくくなる、冷暖房効率を上昇させるといった効果が得られます。

厳しい夏の暑さでも室温の上昇を抑え、涼しく過ごしやすい住環境を保つためには、断熱性・機密性を意識した家づくりをする事が重要です。

 

 

日本の夏の気温推移

平均気温上昇を示すグラフ

細線(黒):各年の平均気温の基準値からの偏差、太線(青):偏差の5年移動平均値、直線(赤):長期変化傾向。基準値は1991〜2020年の30年平均値。

【引用】気象庁|日本の夏(6〜8月)平均気温偏差の経年変化(1898〜2022年)

このグラフは日本各地点に置かれた観測所の平均気温からのずれを数値にして表したものです。気象庁のデータによると、日本の夏の平均気温は、変動を繰り返しながら上昇しており、長期的にみると100年あたり1.19℃も上昇しています。特に2022年は、1898年の統計開始以来、平年を0.91℃上回り、2番目に暑い夏だったと気象庁が発表しました。

地球温暖化は世界規模で問題になっていますが、北半球の中緯度に位置する日本はその影響を受けやすく、中でも東京などの大都市ではヒートアイランド現象による気温上昇によって平均気温が、100 年あたり3.2℃上昇しています。

また、気温上昇に伴い天気予報で猛暑日という言葉が聞かれるようになりました。最高気温が35℃以上の日を猛暑日、30℃以上35℃未満の日を真夏日と言い、警戒を呼びかける言葉となっています。以前はこれほど暑い日は少なかったのですが、現在は命を脅かすような暑さとなる日が増加しています。

住宅に暑さの対策を施さなければ、室温も外の気温と連動して上昇することになるので、厳しい暑さから身を守る工夫が必要です。

 

室内熱中症を防ぐためにも涼しい家は重要

総務省消防庁によると、2017年から2019年で最も多い熱中症発生場所は住居内となっており、室内で熱中症になる人も多くなっています。
室内での熱中症の発生原因も屋外と同様で、室温や湿度の上昇、適切な水分補給が行われていなかったなどが挙げられます。また、夜間に冷房を使用せず、就寝中に熱中症になる事例もあります。

体温調節が上手くできない小さなお子さんや、暑さを感じにくくなっている高齢者の方は特に注意が必要です。
室内熱中症を防ぐためには、体調管理はもちろんのこと、室温や湿度を管理することが必要不可欠。暑い日でも室内を適切な温度に保てるように、涼しい家づくりを意識しましょう。

 土間に集まる家族

 

 

涼しい家を実現するためのポイント

涼しい家は、暑い日でも快適に過ごせる、光熱費を節約できる、熱中症の発症を抑えられるなどメリットがたくさん。そんな、涼しい家を実現するためのポイントをご紹介します。

 

高気密・高断熱の室内にする 

涼しい家を実現するための1番重要なポイントは、住宅の気密性と断熱性を高めること。
冒頭にもあった通り断熱とは、部屋の外と中で熱が伝わらないようにすることであり、断熱性の高い家は、屋外の熱の影響を受けにくくなります。
また、気密性も重要です。なぜなら、気密性が低い住宅というのは隙間が多く、外の熱い空気が室内に入ってしまうため、せっかくエアコンで冷やした室温をキープする事ができなくなるからです。

高気密・高断熱な住宅にする具体的な方法として、天井や屋根の裏側に断熱材を施工する、高断熱サッシや高断熱ガラスを採用するといったことが挙げられます。こうして、室内に外の熱を伝えないようにし、冷房で冷やした室内の空気を保つことで夏でも涼しい家を叶えます。

ただし高気密・高断熱の家は外と中を断絶し、基本的に冷暖房を使うことを前提としているため窓を閉め切った生活となります。窓は家の中で最も熱の出入りが多い部分のため窓自体が少なく、また小さくなる可能性もあります。そのため家の中に熱気やにおいが籠ったり、閉塞感を感じることもあるため換気の方法や自分たちの生活に合うか検討しましょう。

その点、断熱材で熱を遮断しつつ壁の通気層から熱気を排出することができるエアパスソーラー工法は、窓を開けて風を通し自然の力を最大限使って快適に過ごせる工法です。詳しくは下のリンクからご覧ください。

エアパスソーラー工法


日射遮蔽を行う

太陽を遮る軒と庭木

日射遮蔽とは、太陽の日差しや地表面からの照り返しの日光が室内に入り込むのを遮ることを指します。外からの日差しを遮る日射遮蔽は、夏でも涼しい室内を実現するために効果的です。

有効な方法としてカーテンやブラインドを用いる、庇や軒を出す、ルーバーブラインドなどの日射遮蔽部材を選ぶ、熱線反射ガラスなど日射侵入率の低い窓にするなどがあります。
これらを、適切な場所に設置することにより外からの日差しを遮断し、室内の温度上昇を抑えることができます。
また、日差しをしっかりと遮り、室内に日射が入り込まないようにすることで、冷房エネルギーを1545%も削減できるとも言われています。

一方、冬場は効率的に室温を上げるために太陽の光を室内に取り込む必要があります。1年を通して日照の角度や時間を考慮し、夏と冬両方に適した日射遮蔽を行うことが大切です。

 

適度に湿度調整・換気を行う

快適に過ごすためには、室温だけではなく湿度も大きく関係します。
湿度が上昇すると、同じ室温でもよりムシムシとした不快な暑さを感じることになります。そのため、夏でも涼しい家にするためには、室内の湿度を上手に調整する事が重要です。24時間換気システムや、除湿機を使用して湿度管理を行いましょう。
その他、家の気密性を高める、調湿性能の高い材料を使用するといった方法も快適な湿度を保てる家にするためのポイントです。

 

熱気を排出できる構造にする

熱気をため込まず、排出できる構造も涼しく過ごすために大切なポイントです。
壁の中の二重の通気層と、小屋裏・床下の換気口によって季節ごとに衣替えができるエアパスソーラー工法は、夏場、壁内の熱気が自然と排出される仕組みになっています。
夏は小屋裏と床下の換気口を開けます。すると壁内の熱気が上昇気流となって小屋裏の換気口から出ていき、床下の換気口からは地面近くの涼しい空気を取り込みます。壁内の空気が常に循環しているため熱気がこもらず、室内の気温上昇を抑え冷房を節約することができます。

エアパスソーラー工法

 

シーリングファンを取り入れる

シーリングファンとは、天井に設置するサーキュレーターのことで、部屋の空気をかき混ぜ空気の循環をサポートします。室温のムラをなくして冷暖房効率がよくなるので、シーリングファンを設置することで夏も冬も快適に過ごせるようになりますよ。
夏に有効な利用方法としては、送風を下向きにして、ゆったりとした風を人に直接当てて体感温度を下げること。人は風に当たると体感温度が下がるので、冷房の設定温度をそれほど低くしなくても心地よい風があれば涼しく過ごすことができます。特に吹き抜けがあるような天井の高い家に効果的です。

天井につけたシーリングファン

 

風通しの良いプランニング

風通しが悪いと、室内の熱や湿気がこもる原因となります。

熱を逃がし湿度を調節するために、24時間換気による空気の入れ替え、窓を開けての換気が有効です。これらによって部屋の風通しが良くなると、こもった熱を放出させる、風によって体感温度が下がるといった効果が期待できます。

窓を設置する際には、風の性質を利用して風通しの良いプランニングを行いましょう。
夏に涼しい風を取り入れたいなら、風の入口となる窓は低く、出口になる窓は高い場所に設置するとスムーズに風を通す事ができ、天上に暑い空気がとどまるのを防ぎます。また、風は真っ直ぐに進むため、風の入口と出口は出来るだけ直線になるように配置するといった配慮も必要です。

家の性能や外気温によっては、窓を開けない方が涼しく過ごせる場合もありますが、自然の風が通ると気持ちが良いですよ。

 

 

夏を乗り越える涼しい家の施工事例6選

実際に工房信州の家を建て夏を経験したオーナー様の皆さまは、どのように暑い夏を乗り切ったのでしょうか。生の声を見ていきましょう。

 

山裾に佇む家

リビングでくつろぐ男性
竣工 2019年/取材 2023年7月

東御市の風が吹き下ろす山裾に建っている家。窓を開けて過ごすことでエアコンが稼働する日はほとんどないそうです。

「朝起きると室温は25℃。窓を開けると寒い日もあります。日中、外気温が35度を超える日も風通しが良いのでエアコンは使用せず、扇風機一台で過ごしています。季節によって風が通る窓が違うので、どこを開けると心地良いか見つけるのが楽しいです。意外と縦滑りの窓が風を捕まえるように開いて良いですね。夜は毎年お盆ごろに一週間ほど扇風機を使います。梅雨のじめじめした日にも窓を開けたくなるのですが、軒が大きくかかったテラス窓は雨が降っていても開けられて便利です。」

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軒で日射を遮る家

本を持って縁側に来た男性
竣工 2021年/取材 2022年4月

涼しい家にするための大切なポイントの一つ、軒の出。季節ごとに変わる太陽の位置を考慮し調整することで、カットする日射と取り入れる光を両立します。

「こだわりの一つ目は、縁側の軒の出を1.8mと少し長めにし、日射遮蔽ができるようにしたことです。夏の高い位置の日差しは遮り、冬場の日差しは室内に取り込むことができます。その上の吹き抜けもポイントの一つ。当初から工房信州の家らしく吹き抜けは作りたかったのですが、縁側からの光と吹き抜けからの光がマッチする空間が気に入っています。」

お客様の声|縁側と吹き抜けにこだわりがある、四季やメンテナンスまで考えぬいたお家

 

土間でビアガーデン

土間リビングを上から見た写真
竣工 2018年/取材 2019年5月

リビングの半分を土間にし、自然豊かな中川村に似合う家を存分に住みこなしているオーナー様。大きな開口部を開放して過ごします。

「実際に住み始めて、まず、冬あたたかいのは幸せを感じますね。吹抜けと階段で暖かさがうまく循環して、家じゅうスリッパいらず。夏は風通しもバツグンで気持ちが良いです。念願の土間は作業も気兼ねなくできるし、人が集まるときにも広がりが持てます。夏はビアガーデンとして涼むのも最高ですよ。」

お客様の声|土間リビングに憩う家

 

驚きのエアパス効果

夕暮れの片流れ屋根外観
竣工 2017年2月/取材 2017年5月

スタイリッシュな片流れ屋根が目を引く外観。家の中央には中庭を作り、随所から涼しげなグリーンを眺めることができます。二世帯を緩やかに結ぶ役割も兼ねた家のシンボルです。

「間取りも収納も文句なく、“快適”の一言。夏は換気口を開けたら閉め切った部屋もひんやりとして、エアパス効果にびっくり。」

お客様の声|中庭が結ぶ、二世帯住宅

 

晴耕雨読の家

テーブルを置いた土間サロン
竣工 2017年/取材 2019年5月

転勤で全国を見てきたオーナー様が終の棲家に選んだのは信州も北部の飯綱町。窓を開け自然の香りに包まれながら土間で食事を楽しみます。

「いつも食事は土間でとるのですが、畑から野菜をとってきてそのまま朝食にしたり、フレッシュなハーブティーを楽しんだり。まさに「家に居ながらグランピング」という感じで、とても心豊かな毎日です。住み心地も想像以上!夏はエアパス効果と風通しでエアコン要らず、冬も晴れた日の日中は無暖房で過ごせます。体感としては、夏も冬も外と10℃違いますね。」

お客様の声|晴耕雨読の家

 

信州の涼しいセカンドハウス

リビングと土間リビング
竣工 2018年/取材 2019年8月

平日は東京、週末は信州と二拠点生活を送っているオーナー様。趣味のアウトドアギアをセンス良くディスプレイしたこだわりの家です。土間から続く奥行きのあるウッドデッキにはタープを張って、強い日差しを遮ります。

「エアパス工法は正直効果が未知数でしたが、週末に帰ってくると、冬はほのかにあたたかく、夏も外より5℃ほど低い。平日冷暖房なく締め切っている分、その効果がよく分かり嬉しい驚きです。」

お客様の声|仲間と道具と暮らすセカンドハウス

 

 

工房信州の家の涼しい家づくり

工房信州の家では涼しい家を実現するために、工法・設計・素材の三方面からアプローチしています。

家の要、構造はエアパスソーラー工法を採用しています。
壁の中に通気層を設けることで熱い空気や湿気が上昇気流となり上っていき、小屋裏の換気口から出ていきます。魔法瓶のように熱や湿気がこもらず、自然の力だけで暑さのピークをカットすることができるため冷房の使用を節約することができます。

エアパスソーラー工法

また信州ならではの気候を生かし、豊かな自然を取り込み快適な暮らしを実現するための約束事をデザインコードとして設計に取り入れています。
土地ごとの風向や日照を考慮したプランニング。夏の強い日差しを遮り、冬は暖かな陽を取り入れる落葉樹のご提案など、敷地全体のデザインをしていきます。

設計デザインコード

さらに、肌に触れ、室内の空気をつくる家の素材は調湿効果のある自然素材を標準仕様としています。
床は長野県産の無垢材で裸足でもべたつかず、壁は調湿効果の高い珪藻土でさらっとした空気となっています。

自然素材

これらの工夫は積極的に冷やすというよりも、自然の力を最大限活用し、なるべく熱くせず、ほどほどに涼しい家にすることができるものです。環境にも体にも無理のない心地よい空間となっています。
実際の空気感を感じたい方は展示場や完成見学会、入居宅内覧会などのイベントにも足を運んでみてくださいね。

 

 

まとめ

家では一年を通して快適に過ごしたいですよね。特に近年の猛暑を考えると家では無理なく涼めるようにしたいものです。
とはいえ電気代が高騰している中、冷房の使用は控えめにエネルギー効率よく、できれば家の構造そのもので涼しく過ごせるといいですよね。涼しく過ごすためには構造やプランニング、設備などで工夫をすることが大切です。ここでご紹介した工夫や構造を参考に、建築会社を検討してみてくださいね。

 


 

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