モダンでおしゃれな平屋を建てるには?実例やポイントをご紹介!
人気の間取りである平屋は、モダンなスタイルと組み合わせるデザインが注目されています。
しかしおしゃれでかっこいいデザインにしたいけれど、屋根の色からインテリアデザインまで一から考え始めると、決めなければならない項目が多すぎて途中で投げ出したくなってしまいますよね。
この記事ではおすすめの外装や内装のデザインをご紹介します。理想のモダンでおしゃれな家づくりの第一歩としてぜひ参考にしてみてください。
目次
モダンでおしゃれな平屋をデザインするポイント
モダンなデザインと聞いたとき、どのようなイメージが思い浮かぶでしょうか。
多くの方は「シンプル」「スタイリッシュ」「かっこいい」など、クールなイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
「モダン」というデザインには、シンプルモダンやナチュラルモダン、和モダンやイタリアンモダンなどが含まれデザインの幅が広いスタイルです。
そんな幅広いモダンスタイルですが、基本的な構成要素はおおよそ同じです。
モダンスタイルはシャープな直線や人工的な曲線など、装飾のないシンプルでスタイリッシュな「線」、そして素材ではスチールやガラス、本革やコンクリートなどの「硬質感」や「高級感」といったテーマで構成されます。
色のベースは、白や黒などモノトーン調な色合いが基本となります。デザイナーズ家具のような現代風のスタイリッシュな家具と、本革やガラスなど光沢のある素材や質感を足していくと、一般的なモダンスタイルができます。
そんなモダンスタイルのデザインと平屋は一見関連がなさそうですが、実は両方とも「シンプルなデザイン」という特徴があります。
平屋はLDKや水回りなどの普段の生活に利用するスペースから、寝室などのプライベートな個室に至るまですべて1階で完結しています。
廊下などの無駄なスペースを省き、空間を最大限に活用するシンプルな間取りが多いことが、平屋の特徴ともいえます。
そのため、シンプルなデザインを特徴とする「モダン」スタイルは、無駄の無いシンプルな間取りである「平屋」と、相性の良い組み合わせともいえます。
モダンなスタイルは種類も多く幅の広いデザインですが、根本的な要素は同じになりますので、まずは自分の好みの素材がどんなものなのか、知ることから始めてくださいね。
外観のポイント
外観をモダンに仕上げるポイントを解説していきます。外観を構成する要素は大きく屋根形状・外壁カラーと素材があげられます。一つずつ見ていきましょう。
屋根形状
平屋の屋根は家の印象を決める重要な要素の一つです。二階建ての屋根に比べて視界に収まりやすいため、周囲からの見え方を十分に検討しましょう。
屋根の形状は様々なものがありますが、モダンなスタイルで採用される屋根には片流れ屋根や切妻屋根、陸屋根などがあります。
片流れ屋根はその勾配の付け方によっても印象が変わりますが、一方向へふき下ろし直線のラインが強調されるデザインはスタイリッシュでモダンデザインによく合います。陸屋根も同様に無駄のないシンプルなラインが美しく、都会的な印象を持たせます。
切妻屋根は三角屋根と長手の軒ラインが印象的で、和モダンからナチュラルモダンまで幅広いスタイルに取り入れることができます。
外壁カラーと素材
外壁のカラーは言わずもがなモダンな家をつくる上で大きなポイントとなります。モダンの幅が広いため、カラーもスタイルのイメージに合わせて選ぶと良いでしょう。
例えば、都会的な印象が強いシンプルモダンではホワイトやブラックなどモノトーンカラーを基調に、極力色彩をなくし、フェンスやポストなどを光沢のある素材などで変化をつけるとクールな印象に仕上がります。
ナチュラルモダンや和モダンといった自然の風合いを取り入れつつすっきりと仕上げるスタイルであれば、ホワイトやクリーム、グレーなど彩度の低いカラーをベースにすると柔らかな雰囲気が出ます。一部に板張りや塗り壁などで表情をつけるとより印象的な外観となります。
イタリアンモダンなど色使いや素材選びが新鮮なスタイルではアクセントカラーにビビッドなカラーを取り入れる、一部に異素材を用いる、窓枠をデザインするなどの工夫をすると目を引く外観となるでしょう。
壁の素材としてはスタイリッシュな印象に仕上がる金属サイディング、素朴で表情の変化がつく塗り壁、自然の風合いを取り入れるアクセントとして板張り、タイル調や板張り調など様々なデザインから選べる窯業系サイディングなどがあります。
イメージするスタイルに合わせて上手に選択し、組み合わせてみてくださいね。
内観のポイント
内観を素敵なモダンスタイルに仕上げるために重要なのは、統一感です。
パーツごとにおしゃれな物を選んでも、全体で見た時にバラバラな印象ではもったいないですよね。まずはどのテイストに寄せるのか、事例を見てイメージを膨らませてみて下さい。
内装は壁のカラーに始まり、壁材、床材、照明、カーテン、家具など選ぶものが多数あります。
モダンがテーマのインテリアでは基本的にシンプルなものを選びましょう。カラーはモノトーンか無彩色の素材の色味を基調とし、アクセントカラーは控えめに取り入れるとバランスが取れます。
またモダンな家では照明計画も大切なポイントです。
部屋全体を明るく照らす照明よりも間接照明やブラケットライト、ペンダントライトなどスポットを照らすものを計画すると空間に陰影が生まれ奥行きが出ます。シンプルな内装だからこそ、照明計画で立体感のある洗練された空間を演出することができますよ。
間取りのポイント
モダンな家ではなるべく室内をすっきりとさせることが間取りを決める上でのポイントとなります。
できる限り生活をシミュレーションし、物の位置を想定しておきましょう。使いやすくしまいやすい収納を細やかに計画すると生活の中で物を出しっぱなしにすることが少なくなります。
またシンプルなインテリアの中で、空間に変化をつける方法として天井の取り方を工夫できます。
平屋は二階がないため、天井を比較的自由にデザインすることができます。
先述の屋根形状で片流れ屋根や切妻屋根をご紹介しましたが、天井を屋根勾配に沿った斜天井とすることで空間が縦方向に広がり、開放感が生まれます。全体を斜天井としても良いですが、一部を平天井としてもメリハリが出てより効果的に空間をデザインすることができます。
部分的に変化をつけることで直線ラインが目に入るため、モダンデザインと相性良くまとまります。
モダンでおしゃれな平屋デザイン例【外観編】
モダンスタイルの外観
一般的なモダンスタイルにする場合、屋根や外壁は、凹凸の少ない直線的なデザインのものを選びましょう。
平屋は2階建や3階建よりも屋根の面積が大きくなるため、外観のイメージを左右しやすいパーツとなります。
そのため、モダンなスタイルを意識する場合は「片流れ屋根」という、屋根の形が一方向に傾斜している屋根、もしくは「陸屋根」という傾斜の無い屋根の形を選ぶことで、洗練された、かっこいい印象になります。
屋根材には縦葺きのガルバリウム鋼板を使いましょう。
ガルバリウム鋼板は、耐久性や耐熱性にも優れており、軽量という点から、平屋などの屋根が多い家にはおすすめの屋根材です。
ガルバリウム鋼板は外壁としても使える素材ですので、屋根と外壁を黒のガルバリウム鋼板に統一すると、スタイリッシュな外観イメージになります。
以下のデザインにも同じことをいえるのですが、屋根や外壁など全体の色を一色に統一した場合は、窓枠や雨どい、換気扇のカバーなど細かい部分も同じ系統の色に統一させることで、統一感が増しますので、頭の片隅にいれておきましょう。
金属サイディングのモダンな家
ネイビーのガルバリウム鋼板がスタイリッシュな印象のこちらの家。
屋根は片流れ屋根とし、すっきりとした形状とカラー、無機質な素材でモダンな印象を作り上げています。南面は板張りでアクセントを。見る方向により表情の異なる外観となっています。
グレーの片流れ屋根の家
ひときわ目を引くシャープな片流れ屋根。シンプルかつ直線的なデザインが現代的なスタイルを象徴しています。
モノトーンの配色、特にグレーの壁とブラックの窓枠やフェンスのアクセントは洗練された雰囲気を醸し出し、玄関や窓周りの木部が暖かみとナチュラルな質感を添えています。植栽が柔らかさをプラスしてバランスの取れた外観となっています。
和モダンの外観
和モダンにしたい場合は、屋根の形状を「切妻屋根」や「寄棟屋根」といったよく見かける一般的な形状を選びましょう。
軒は、通常よりも長めに出すことによって、日本家屋でよく見かける縁側のある家の雰囲気を出すことができます。
屋根材も基本的にはスレート葺きなど凹凸の少ないシンプルなものを選び、外壁は白などシンプルにすることが良いでしょう。
外壁の一部や軒下の面に木や木目など、茶色系の素材を上手に取り入れることで、「和」のイメージがより強調されます。
蔵に似合う和モダンの家
敷地内の蔵と調和するよう設計したこちらの平屋は、白壁を基調に腰壁や縁側、柱をダークブラウンに塗装し蔵と色味を揃えました。しっかりと軒を出し、縁側を覆うことでどこか懐かしく趣のある外観のポイントとなっています。
庭の大きな松の木や石積みは、日本庭園を彷彿させ、和モダンの外観に彩りを添えています。
風景に調和する和モダンの平屋
伝統的な日本の建築要素と現代的なデザインが融合された和モダンの平屋。土壁を思わせるような温かみのある外壁カラーとシンプルな切妻屋根の形状、南面に広くとった縁側が日本で古くからみられる住宅を連想させます。
一方で軽やかな屋根材とカラー、木部の明るい色合いが現代的な雰囲気も持ち合わせ、絶妙な和モダンスタイルの外観となりました。
北欧モダンの外観
北欧モダンにしたい場合、屋根は「片流れ」の形状を選び、軒は出さない箱のような外観にしましょう。
外壁の色は、白やグレーなどシンプルな色を使うようにしますが、可能であれば、漆喰などの自然素材を使うことも、北欧の雰囲気に近づけやすくなるでしょう。
ただし、自然素材のものは環境などの状況によって、他の外壁材と比べメンテナンスが多くなる場合もあります。
スレートタイプの外壁材には、漆喰風の物もありますので、メンテナンスの方法をよく確認し、管理のしやすいものを選びましょう。
北欧モダンの外観特徴として、ポイントになるのは「窓」。
一面だけでも、掃き出し窓のような大きな窓をつけず、小窓や横長の窓だけを並べることや、丸い形の窓をつけることで、シンプルデザインの中に北欧独特の独創性あふれるデザインになります。
北欧のデザインは、木目調の柄とも相性が良いので、和モダンのようにポイントで入れてみると、シンプルなデザインに温かさのあるデザインになりますよ。
白壁が目を引く平屋
こちらの家はシンプルかつ直線的なデザインが特徴的で、余計な装飾を排除したミニマムなフォルムが北欧らしさを醸し出しています。
白を基調とした外壁は清潔感を感じさせ、木部のアクセントが暖かみとナチュラルな雰囲気を醸し出しています。下屋部分のショップのような大きな窓もアクセントに。一方、東に面した窓はコンパクトにし、メリハリのある窓計画が洗練されたデザインです。緑豊かな風景との調和も、北欧デザインの自然へのリスペクトを感じさせます。
片流れ屋根の平屋
北欧モダンの要素を取り入れたこちらの平屋。東に集めた大きな開口部は室内に陽を取り込むだけでなく外観のアクセントとして重要な役割を負っています。
外土間に面した木部は白木の質感と色味を活かした塗装とし、外壁の淡いクリーム色と相まって自然と調和するナチュラルな色彩です。また、シンプルで洗練された直線的な建物の形状はモダンな印象で、温かみとスタイリッシュさがバランスよく織り込まれた外観です。
モダンでおしゃれな平屋デザイン例【内装編】
モダンスタイルの内観
天井・壁・床など内装の基本パーツは、白やモノトーンな色にまとめましょう。
床は、白い木目柄のフローリングでも合いますが、タイルや石などの光沢のある素材も、モダンスタイルにぴったりな素材です。
テーブルやテレビ台、ソファーなどの比較的大きな家具は、シルエットが四角い物を選び、家具の高さも同じ高さを意識することで、直線が生まれすっきりとした印象になります。
椅子や照明など小さめな家具は、人工的な曲線を使った、デザイナーズ家具のようなものを選ぶことで、近代的な空間に変わります。
また、家具などインテリアの素材は、硬質感のあるガラスやメタリック、本革などの高級感や光沢のあるもので統一させましょう。
LDKの配置もなるべく一直線上に並ぶような間取りとすることで、家具も並べやすくなり、開放的な空間を生み出しやすくなります。
アクセントウォールがモダンな家
リビングの一角、書斎の壁に使ったブラックタイルのアクセントウォールが目を引きます。キッチンの背面にも間接照明を効果的に使い空間を印象づける工夫をしています。
照明やシーリングファンもブラックを採用し、クールな印象に。モダンな要素を基本としつつも、木の温かみも融合させたインテリアデザインです。
和モダンの内観
和モダンは、白いシンプルな空間に木や畳、和紙や竹などの和素材を取り込み、インテリアは全体的に床に近い背の低いもので揃えることがポイントとなります。
壁や天井は白で統一させ、床や建具などには木を取り入れてましょう。
他にもダイニングや玄関ホールの目につく、メインの照明には、和紙や藁の素材をおすすめします。
部屋を彩る飾りや家具を選ぶ際に可能であれば、テーブルの足や、小物などの飾りに墨黒の色をポイントで入れることで、和のテイストにぐっと近づきます。
また、白色のような明るい色でなくても、壁や床、家具など内装の色を、黒に近いこげ茶などで統一し、壁の一面や小物の飾りに赤の差し色にを使うことで、大人な雰囲気が漂う落ち着いた和モダンテイストにまとまります。
土間玄関の家
すっきりとした白ベースの壁に障子やちゃぶ台、簾など和の要素をふんだんに取り入れた和室が落ち着いた和モダンらしさのあるインテリア。
玄関と一体となった土間には独特な形状の国産のオーブン付き薪ストーブを据え、お施主様のセンスとこだわりを感じさせます。
和室のある平屋
ホワイトのシンプルな珪藻土の塗り壁と木部のコントラストが美しいこちらの平屋。
ダイニングの横には床の間と地窓を設けた趣のある和室をとりました。すっきりと無駄のない直線ラインと和の要素が調和した和モダンのインテリアとなっています。
北欧モダンの内観
北欧モダンは自然素材の中に、デザイナーズ家具などを取り入れることがポイントとなります。
全体的なカラーは白を基調としますが、床の素材に白に近い木目柄を入れることで、モダンデザインより温かみのある空間を造ることができます。
差し色には、グレーや薄い水色、黄緑など比較的色の薄い寒色系の色を入れることで、シンプルさは失われず、スタイリッシュなイメージを保つことができます。
赤など暖色系の色も合いますが、暖色系の色を多く使いすぎてしまうと、北欧モダンというよりは、北欧スタイルになってしまいますのでいい塩梅にとどめましょう。
真鍮のペンダントライトが印象的なインテリア
斜天井のすっきりとしたラインがスタイリッシュでモダンな印象を持たせつつも、ポイントで取り入れたグレーやドイツ製の薪ストーブがポイントとなるインテリア。中でも作家さんに特注したダイニングのペンダントライトは北欧でもよくデザインされる真鍮製です。無垢の木や真鍮の少しずつ変わっていく表情を長く楽しんでいけそうです。
温もりある北欧モダンの家
白壁に淡い色合いの木部が温かみを感じさせる内装のこちらの家。差し色にダイニングチェアのブルーを取り入れ、北欧モダンの特徴をセンス良く表現しています。
シンプルかつ機能的でありつつも温かみを感じさせる北欧デザインと、無駄をそぎ落とした直線ラインや光沢のある素材感が特徴のモダンデザインを調和させた内装です。
まとめ
好みのモダンなデザインについて、イメージはふくらんだでしょうか。
今はSNSなどで多くの施工例を見ることができる時代ですので、今回紹介したモダンスタイル・和モダンスタイル・北欧モダンスタイル以外にも自分好みのデザインがないか、探してみることもおすすめです。
ただし、写真や本などでは分からない、素材の質感や香りなど見るだけでは分からない部分もありますので、完成見学会やショールームなど実際に目で見て、肌で感じることが、おしゃれなデザイン造りへの近道ですので、面倒がらずに足を運ぶことをおすすめします。
モダンスタイルのデザインの幅は広いですが、どれも基本はシンプルなものとなりますので、飽きの来ない住み心地の良いデザインともいえるでしょう。
スタイリッシュな直線になるよう常に意識し、色や素材、質感などを統一することで、おしゃれなモダンスタイルを長く楽しめますよ!
私たちは設計士や施工管理士といった建築のプロでありながら、全社員が「信州コンシェルジュ」として豊かな信州ライフをサポートしていきます。
家づくり関連の人気記事
22/10/17 注文住宅における人気の間取り11選!失敗しないためのポイントも解説!
21/05/19 無垢の木とは?無垢材の特徴やお手入れ方法を徹底解説
21/10/23 土間のある家の活用方法やメリット・デメリットとは?コツや事例10選を解説!
21/10/23 土間サロンで何する?土間のある家 実例36選
22/10/31 新築のキッチンで失敗・後悔しない!サイズや配置、オプションなどのポイントを解説