近年注目を集める土間。中と外を繋ぐクッションのような空間は様々な使い方ができ、家での過ごし方の幅が広がると人気を集めています。
ところで使い方の一つにキッチンを置く例もあるのはご存知でしょうか?実際の使い勝手やデメリットなど気になりますよね。
ここでは土間キッチンのメリットデメリットや建築する際のポイントをご紹介します。事例もありますのでぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
- そもそも土間とは
- 土間キッチンとは
- 土間キッチンのメリット
- 土間キッチンのデメリット
- 土間キッチンで失敗しないためのポイント
- おしゃれな土間キッチンのアイデア事例2選
- 家づくりについて相談会で聞いてみよう
- まとめ
そもそも土間とは
土間とは、屋内でありながら土足で使える空間です。
昔の日本家屋では玄関を開けるとまずこの土間があり、炊事場にしたり農機具や野菜の保管場所にしたり、農家の方が農作業をするための場所としても使われていました。居室とつながるスペースとして重宝されていた土間も、時代の流れや生活スタイルの変化とともにあまり見られなくなりました。
しかし、近年古民家のリフォームやリノベーションの人気もあって、その魅力が再び注目されています。
【関連記事】間のある家の活用方法やメリット・デメリットとは?コツや事例10選を解説!
土間の魅力
「内と外の間」である土間には、ほかにはない魅力がたくさんあります。
DIYやガーデニングなど今までは外で行っていた趣味も、土間なら天気に左右されることなく楽しむことができます。室内には置けない自転車やスポーツ用品などの収納スペースにもいいですね。メンテナンスをしたり、お気に入りの物を飾ったり、自由に楽しめます。
靴を脱がなくてもいいので、気軽にお客さんを迎え入れる場所としても最適でしょう。
土間キッチンとは
土間の良さが見直される中、土間をキッチンとして利用する「土間キッチン」が増えています。
もともと炊事場として使われてきたため、土間の特性や使いやすさはキッチンに向いているといえるでしょう。
また、技術の進歩により新しい素材や設備が多数登場したことで、土間の利便性や快適性が増しています。そのことも土間キッチンを検討する方が増えている理由の一つでしょう。
土間キッチンのメリット
キッチンの床に土間を採用すると、どんなメリットがあるのでしょうか。
掃除がしやすい
キッチンは油や水汚れなどがつきやすいですが、土間は水に強いため、直接水を流したりモップなどで水拭きすることで、簡単に汚れを落とすことができます。毎日使う場所だからこそ、お手入れが簡単なことはとても大きなメリットといえるでしょう。
物を運び入れやすい
玄関から土間キッチンにつながる間取りなら、たくさん買い物しても土足のまま運ぶことができます。重たい物や大きな物を運ぶときに、靴を脱ぐ手間がないことはとても便利ですね。水に強い土間なら、濡れたり汚れていてもそのまま置くことができます。
フレキシブルに使える
ダイニングも土間にしたり、リビングや庭とつながる間取りにすることで、キッチンとしての役割以外にも、さまざまな用途に使える空間になります。来客時にお茶を楽しんだり、自然と人が集まる雰囲気を演出するのも素敵ですね。土間キッチンからダイニング、庭へと動線をつなぎ開放的な大空間を作ることもできます。
土間キッチンのデメリット
魅力いっぱいの土間キッチンですが、その反面デメリットもあります。
底冷えしやすい
土間は地面に近く、土の冷たさがそのまま伝わりやすくなります。フローリングなどの床材も張らないので、夏場は涼しくていいのですが、冬場は底冷えしやすいという点が不安要素です。キッチンは毎日使う場所なので、断熱材施工などの冬の寒さ対策が必要でしょう。
段差ができやすい
内と外の間である土間は、その特性からどうしてもほかの空間との間に段差ができやすくなります。
空間を仕切ったり段差に腰かけたり、有効的に利用することもできますが、将来的には年齢を重ねるにつれて段差が負担になる可能性も考えられるでしょう。
土間キッチンで失敗しないためのポイント
土間キッチンを設けるうえで「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、失敗しないためのポイントをご紹介します。
床材の選定は慎重に
一言で土間と言っても、さまざまな床材があり、それぞれに印象が大きく異なります。
よく使われるのはコンクリートやモルタルです。
掃除がしやすく比較的価格も低めですが、冬場は地面の冷気が伝わりやすく、乾燥によってひび割れしやすいところが難点といえるでしょう。ひび割れも経年の味と捉えられる方にはおすすめです。
色や柄のバリエーションが豊富なタイルは、どんなテイストにも合わせやすいため人気があります。
耐久性が高く、修繕など部分的に張り替えることもできます。表面の仕上げによっては滑りやすいものもあるため、滑り止め加工したものを選ぶと良いでしょう。
大理石や御影石といった天然石も床材として使われます。
高級感のある仕上がりで耐久性にも優れているのですが、費用は高くなりがちです。天然石の種類によってメンテナンスの方法も異なるので注意が必要です。
寒さ対策もしっかり行う
土間キッチンの最大のデメリットともいえる「冷え」への対策を万全にすることで、より快適で過ごしやすい空間が作れます。
床暖房や断熱材、断熱効果のある床材を使用する方法がありますが、採用できるかは予算や家の構造にもよるので、自分の建てたいハウスメーカーや工務店で事前に確認しましょう。
薪ストーブやパネルヒーターを使用するのもいいでしょう。特に薪ストーブは、室内だと気になる灰や木くずも土間なら簡単に掃除ができ、傍らに薪を置いておくこともできるためおすすめです。
土間自体が薪ストーブの輻射熱を蓄熱しますし、薪ストーブ料理も気軽に楽しめそうです。見た目にもぐっとあたたかみが増しますね。
おしゃれな土間キッチンのアイデア事例2選
タイルの土間キッチン
ブラックのタイルを敷いたキッチン。
キッチンをリビングから一段下げたのは、キッチン対面のダイニングカウンターに座った家族と視線を合わせるため。一段下げることで目を合わせることができ、会話も弾みます。
無垢材はどうしても水に弱く、シミになりやすいため、コーティングが必要になります。コーティングも徐々に剥がれてくることがありますが、ブラックのタイルは水や油汚れにも強く、汚れも目立たないため大らかな気持ちで過ごせます。
キッチンのパネルもブラックで統一し、スタイリッシュなキッチン空間になりました。
コンクリートの土間キッチン
コンクリート洗い出し仕上げの土間キッチン。
冷蔵庫奥は勝手口。買い物をしたら勝手口から入り、そのまま荷物を片付けられる便利な動線です。
寒さが不安な土間キッチンですが薪ストーブの暖気と、大きな窓から入る自然光がぽかぽかと温かです。
備え付けの背面収納は折り畳みできるダイニングテーブル付き。キッチンから振り向いてすぐに配膳でき、片付けもらくちん。陽だまりの中食卓を囲みます。
コンパクトに機能性効率性を詰め込んだ土間キッチンはこの家の中心です。
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まとめ
中でありながら外のようにも使える土間。アウトドアと組み合わせて使う場合も多いですが、水や汚れに強く、お手入れがしやすい土間は実はキッチンにもぴったり。
とは言ってもまだ少数派の土間キッチンはメリットもデメリットも知った上で計画したいですよね。
土間キッチンはポイントを押さえれば快適に効率よく家事をすることができます。そして何よりキッチンだけでなくダイニング・リビング・玄関・収納など多機能に使える面白みのある空間として土間キッチンは様々な可能性を秘めています。ぜひ検討してみてくださいね。
私たちは設計士や施工管理士といった建築のプロでありながら、全社員が「信州コンシェルジュ」として豊かな信州ライフをサポートしていきます。
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