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片流れ屋根のメリット・デメリットとは?雨漏りを防ぐポイントもご紹介

公開日:2021/09/14(火) 更新日:2023/01/19(木) 家づくり

片流れ屋根のメリット・デメリットとは?雨漏りを防ぐポイントもご紹介

片流れ屋根はシンプルでスタイリッシュなデザインで、多くの人を魅了しています。
この片流れ屋根には、どのような特徴があるのでしょうか?今回は、片流れ屋根の特徴やメリット・デメリットなどをまとめていきます。
これから家を建てるという方、屋根のリフォームを検討中の方など、ぜひ、参考にしてみてください。

 

INDEX

 

片流れ屋根とは?

片流れ屋根外観

片流れ屋根は、一方向にのみ傾斜のある屋根のことを指します。
一枚の大きな屋根が、斜めについているためシンプルな印象を与えてくれます。
また、シンプルでありながらも、スタイリッシュで重みのある景観であるため、今最も人気のある形状といっても過言ではありません。

 

 

片流れ屋根のメリット

デザインがかっこいい

片側に傾斜がついた片流れ屋根はスタイリッシュな印象の家になります。間口が広い場合はどっしりとした高級感ある印象に、間口が狭い場合はクールな印象に。平屋の場合も落ち着いた雰囲気に仕上がります。シンプルな構造のため飽きが来ない良さがありつつも、見る角度によって変わる表情も楽しめます。様々なテイストの家に合い、使う素材やカラーにより和風からマニッシュなものまで幅広くマッチします。

 

空間を有効利用できる

片流れ屋根のメリットは、敷地の狭い家でも居住空間を十分に確保できるという点です。
もし敷地が狭く、家の計画がしづらいという場合でも、片流れ屋根であれば一般的な三角屋根の家と比べてもデッドスペースを有効活用することができるため、敷地を存分に活かした家をつくることができます。建物の片側は天井高が高いため、ロフトなどに活用することが出来ます。低くなっていく部分も小屋裏収納などに使うことが出来ますね。

 

初期費用が安い

次に、片流れ屋根のメリットとして挙げられるのは初期費用が経済的であるということです。
三角屋根に比べて片流れ屋根はシンプルな構造であるため、初期費用が安く抑えられます。雨樋の取り付けも片側一方のみとなります。
それ以外にも、片流れ屋根は大きい一枚屋根のため太陽の熱を集めやすく、ソーラーパネルが設置しやすかったり、雪が溶けやすかったりといったさまざまなメリットがあります。

 

 

片流れ屋根のデメリット

では、片流れ屋根のデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

 

外壁の劣化のリスクがある

片流れ屋根のデメリットとしてまず挙げられるのが、屋根・外壁が劣化しやすいという点です。
一般的な三角屋根をもつ切妻や、寄棟の場合は雨樋が複数個所に取りつけられているため雨樋から雨水が溢れることは少ないですが、屋根のに落ちた雨水を全て受け止める片流れ屋根の雨樋の場合は雨水が溢れて外壁を伝ったり、雨樋が破損したりする可能性があります。
また片流れ屋根は一方向にしか軒が伸びていないため、軒先のない壁面は雨風や紫外線の影響を受けやすくなってしまいます。

 

雨漏りのリスクがある

片流れ屋根は雨漏りのリスクが高いのも特徴です。
一見、一枚屋根の部分は接続部分がない構造であるため、雨漏りしにくいと思われがちです。しかし屋根の頂上付近に落ちた雨水が外壁に向かって伝ってしまい、屋根と外壁の隙間から雨漏りが発生することがあります。頂上部や外壁と屋根が接続する部分など注意が必要な部分はよく検討しておく必要があります。細やかで専門的な部分ですので、建築会社に雨漏りの不安を伝え、対策を講じてもらいましょう。

 

換気がしにくい

切妻屋根であれば屋根裏部分である小屋裏に二方向から換気口を付けることが出来るため、風が自然と流れる構造となっています。しかし片流れ屋根の場合は風や温度差による自然な空気の循環が発生しにくい構造となっているため換気がしにくい傾向にあります。湿気により結露やカビが発生すると構造に強度の不安が出るため、定期的に屋根裏を確認したり、場合によっては換気口を複数設けるなど建築会社に相談して対策を取りましょう。

 

 

片流れ屋根は雨漏りが多い?雨漏りを防ぐポイントを紹介

ここまで述べてきたように、人気の片流れ屋根にも、雨漏りがしやすいなどのデメリットがあるのが現状です。
では、雨漏りを事前に防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。
ここからは、片割れ屋根の雨漏りを防ぐポイントをいくつかご紹介していきます。

 

伝い水を防ぐ施工をする

片流れ屋根でよくみられる雨漏りの原因は、屋根の裏面に水がつたって家の中に侵入してしまうことにあります。
そのため、この伝い水を事前に防ぐことで、雨漏りを予防することができるのです。
具体的には、屋根の頂上の部分を、水を通さないよう透湿ルーフィングで覆うとよいでしょう。こうすることで隙間がなくなり、雨漏りを防ぐことができます。
また、より雨を防ぐためにも、水切りの板金を取りつけたり、雨や風を防いでくれる「破風板」といった資材を取りつけるのもよいでしょう。
水切り板金や破風板については、後ほど具体的に説明します。

 

換気ができる構造を作る

家の劣化の原因として代表的なものに「湿気」がありますが、この「湿気」を未然に防いでおくことで、雨漏りの防止につながります。
家や屋根の中に湿気がたまると、特に木造の住宅の場合は、木が腐る原因となり、そこから家の劣化につながってしまいます。
こういったことを防ぐためにも、片流れ屋根に湿気がこもらないよう、適切な換気をおこなえるシステムを取り入れるとよいでしょう。

 

 

代表的なその他の屋根の種類

家の屋根には、どのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、日本の家によくみられる代表的な3つの屋根について、その特徴とメリット・デメリットをまとめていきます。
気に入った屋根デザインを見つけるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

 

切妻

切妻屋根

切妻とは、一般的によく見られる三角屋根のことです。日本の住宅でも多くみられる形の屋根です。
切妻は雨漏りのリスクも低く、長期的にみてメンテナンス費用を安く抑えられる、人気の屋根です。
では、この切妻には、どのようなメリットがあるのでしょうか?

まず、切妻は工事の手間があまりかからないため、工事費用や工事期間を抑えることができるうえ、初期費用が安くすみます。
また、切妻は屋根裏に空間を設けられるため湿気がたまりにくく、長い目でみてもメンテナンスなどの費用を安く抑えることができます。
家の劣化の大きな原因となる湿気対策を、切妻にするだけでおこなえるのは魅力ですね。

また、屋根裏のスペースが確保できるため、屋根裏収納を設置できたり、洋風和風どちらのデザインにもマッチするため、デザインの面でも自由がききやすいといった特徴があります。

一方、切妻のデメリットとして挙げられるのは、妻側の壁面には紫外線や雨水などが当たりやすくなってしまうため、壁面劣化につながってしまうことです。
しかし、すべてを考慮しても、切妻には多くのメリットがあるため、ぜひおすすめしたい屋根の形です。

 

寄せ棟屋根

寄せ棟とは、4方向に向かって傾斜面のある屋根を指します。
切妻に続いて、日本の住宅でよくみられる屋根の構造です。
まずは、寄せ棟のメリットをみていきましょう。

寄せ棟は、4方向に屋根が取りつけられているため、紹介する3タイプの屋根の中ではもっとも紫外線や雨風の影響を受けずに済み、長期的に見ても外壁に優しい屋根といえます。
また、屋根の上にのった雪や雨を、4方向に分散させることができるといったメリットもあります。

一方、寄せ棟屋根のデメリットとして挙げられるのは、4方向に屋根を取りつけるため、雨樋や軒が長くなり、片流れや切妻の屋根と比べて工事費用が割高になることです。
また、複雑な形をしているため工期も長くなり、人件費もかかるため、結果として屋根部分の全体的な費用が割高になります。

また、切妻の屋根や片流れの屋根といった大屋根に比べて、ソーラーパネルの数が制限されてしまうため、あまり太陽光発電には向かない屋根です。
しかし長期的にみて、外壁を傷つけずしっかりと家を守ってくれることからも、長く安心して住み続けられる家が実現できます。

 

 

雨漏りにくい屋根・しにくい屋根とは?

屋根の本来の目的は、やはり雨や風をしのぐという点です。
そのため、屋根が雨漏りしないものであるかどうかは、一番の問題であるともいえるでしょう。
ここでは、雨漏りしやすい屋根と、しにくい屋根の特徴を、それぞれご紹介します。

 

雨漏りしにくい屋根 おすすめは?

雨漏りしにくい屋根、といっても、実ははっきりとした答えがないのが現状です。
ここまでご紹介したとおり、屋根の形にもさまざまな種類があり、そのうえメリット・デメリットの両方が存在しているため、一概にどれがおすすめとはいえません。
しかし、雨漏りリスク、初期費用など、総合的にみて、おすすめなのは、切妻屋根であるといわれています。
この理由としては、切妻は寄棟などの複雑な形の屋根に比べて初期費用が安くすむだけではなく、雨どいなどの雨を防ぐための設備も十分に整っているため、雨漏りリスクの少ないベストな屋根であるからです。
しかし、雨どいなど雨漏りを防ぐための設備や、雨の内部への侵入を防いでくれるように軒がしっかりと出たつくりがなされていれば、雨漏りしにくい屋根をつくることは十分可能です。

 

雨漏りしやすい屋根は?

雨漏りのリスクが最も高いといわれている屋根は、谷樋板金というものが乗った屋根です。
谷樋板金とは、屋根の上にある、雨樋としての機能を持つ板金です。
この谷樋板金、すべての屋根に必ずあるものではないのですが、昔の家の屋根でよくみられる特徴があります。
谷樋板金は雨水を収集してくれる箇所ですが、雨漏りのリスクを高めるものですので、特に中古物件を購入されるという方は確認しておきましょう。

ほかにも、軒先の出がなかったり、出ていても短い場合は要注意です。
軒先と外壁の取り合い部分から雨水が内部に侵入し、雨漏りにつながる場合があります。
ローコストな建売住宅などは、費用を抑えるために軒をなくしている家もありますので、注意しましょう。

 

 

雨漏りした際の対処方法

屋根は家族を支える重要な部分。
安心して長く住み続けられる家にするためにも、普段からメンテナンスをしっかりとしておきたいものです。
しかし、万が一雨漏りをしてしまった場合、どのような対処をおこなえばよいのでしょうか?ここでは、そんなときに役立つ対処方法をいくつかご紹介します。

 

破風板を立ち上げる

破風板というものをご存じでしょうか?
普段生活していてもなかなか聞き馴染みのないものですよね。

この破風板は、雨風をしのぐために、屋根の側面に取りつけられている板のことを指します。屋根の妻側の側面を「破風」とよぶことからつけられた名前です。
この破風板があることで、風や雨などの劣化の原因となるものから防ぐことができます。
また、それ以外にも防火対策としての役割もあるため、家の防火性を高めてくれます。

また、片流れ屋根では、棟頂部の破風板を立ち上げることで、雨の侵入を防ぐことができます。ぜひ参考にしてみてください。

 

水切り板金をつける 

「水切り板金」という言葉をご存じでしょうか?
これは、屋根と外壁の接合部分に雨水が侵入しないようにするために、取りつける板のことです。
この水切り板金を取りつけておくことで、屋根と外壁の取り合いからの水の浸入を防ぐことができ、雨漏りの対策をおこなうことができます。

 

ルーフィングを覆う

ルーフィングとは、下葺材とも呼ばれるもので、屋根材の下に敷かれる資材のことです。
このルーフィングを用いて棟部分を多い、破風板に垂らしておくことで、外壁と屋根の取り合い部分からの雨風の侵入を防ぐことができます。
特に、雨漏りの対策をおこなうには、透湿ルーフィングという、強度に優れ雨をしのぐことができる資材が向いています。
これから家を建てるという方は、お願いする施工業者に、この施工が屋根に施されているかをあらかじめ確認しておきましょう。

 

 

【住宅の種類別】購入時の屋根に関する注意点

家を購入するときに、屋根に関してどのような点で注意する必要があるのでしょうか?
ここでは、中古、注文住宅、建売住宅の3つにわけて、それぞれ注意点をご紹介していきます。

 

中古の戸建て

中古住宅を購入する際、内装や設備などに気をとられすぎて、屋根の形や劣化に部分を見落としてしまう人が大勢います。
屋根を確認しておくのを忘れてしまうと、わずか数年で屋根の大規模リフォームをせざるを得ない状況になってしまうことも考えられます。
屋根の葺き替え工事には、少なく見積もっても100万円以上かかってしまうため、中古物件を購入する方は注意しましょう。

 

注文住宅

あこがれの注文住宅。せっかく注文住宅を建てるからには、間取りや内装で変わったデザインを施したいという方もいると思います。
しかし、この内装や間取りでデザインを優先しすぎるあまり、屋根の形が複雑になってしまうことがあります。
内装やデザインには時間をとっても、屋根にはあまり関心を向けないというケースも多いですが、屋根は家族の生活を守る大切な箇所。
必要以上に複雑な形をした屋根にならないよう、早い段階でしっかり屋根の形を計画するようにしましょう。

 

建売住宅

建売住宅は、コストをかけずシンプルなデザインの屋根になっていることが多いです。
しかし、シンプル過ぎると雨漏りのリスクが高くなる危険性があります。
特に格安で売られている建売住宅などは、コストを軽減するために軒先を省いていたり、ついていても軒先がほとんどない場合があります。軒先がないと、屋根と外壁の接合部から雨水が浸入する原因となり、結果雨漏りにつながってしまいます。
建売住宅を購入する際は、コストばかりに目を向けず、屋根部分がしっかりと施工されているかなどを、十分に確認するよう心がけましょう。

 

 

屋根勾配や屋根の形は購入後に変更できるのか?

では、実際に家を建てたあとで、屋根の勾配や形を変更することは可能なのでしょうか?
結論からいうと、屋根はリフォームをすることで変更することは可能です。
では、具体的にはどのようなことに注意する必要があるのでしょうか?ここでは、勾配と形、二つの項目にわけてそれぞれの注意点をみていきましょう。

 

屋根勾配

「勾配」とは、屋根の傾きの角度のことを指します。
勾配が急であるほど、屋根の角度は急になるため、屋根の上に乗った雨を排水するスピードもはやくなり、結果雨漏りのリスクを軽減させることができます。
しかし、急勾配にする場合、施工する屋根の面積が広くなるため、その分費用も高くなります。
また、リフォームの際は屋根の足場を取りつけることにもなります。
屋根は、価格の面から見ても、急にすればするほどよいという訳ではありません。
ちなみに、屋根に勾配をつける際は、4寸勾配程度が適切であるといわれているため、そのくらいの角度を目安にするとよいでしょう。
また、屋根勾配を変更するリフォームは、かなり大がかりな工事が必要になりますので注意しましょう。

 

屋根の形

勾配と同様に、屋根の形そのものを変更することも可能です。
もし現在雨漏りがひどくお困りの方や、形を根本的に変えたいとお考えの方は、リフォームをするのもよいでしょう。
ただし、屋根の形を変更する工事も勾配のリフォームと同様、大がかりな工事を必要としますので、注意しましょう。

以上のように、屋根の勾配も形もリフォームで変更することは不可能ではありませんが、かなり大がかりな工事を必要とするため、費用も高くかかります。
リフォームの見積もりをとったところあまりに高額で、それならばいっそ建替えようと計画を路線変更されるお客様も多くいます。
そうならないためにも、これから新築住宅の購入をお考えの方は、屋根の形は十分に検討してから決めるようにしましょう。

 

 

まとめ

片流れ屋根をはじめ、さまざまな屋根に関する特徴や注意点をまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。
屋根は家族の生活を支える大切な部分。安心安全に長く暮らせる住まいを実現するためにも、今回ご紹介した注意点をぜひ参考にしてみてください。

また、長野県で無垢材を使用した新築住宅をご検討の方は、ぜひ私たちフォレストコーポレーションにお問い合わせください。
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