必要最低限の物しか持たないミニマルな暮らしは、無駄を取り除いたコンパクトな生き方として注目されています。
居住スペースが限られている小さい家は必然的にミニマルな暮らしが求められますが、毎日の暮らしの中で常に意識できるメリットがあるとも言えるでしょう。
ミニマムなライフスタイルを目指す方が、あえて小さい家を選択することも増えています。
小さい家は、敷地や予算などの制限によって仕方なく設計されるばかりではなく、求めるライフスタイルに適した家として多くの方から注目を集めているのです。
生活スタイルの変化や価値観の多様化が、マイホームのあり方に影響をもたらしていると言えるでしょう。
人気の小さい家ならではのメリットやデメリット、住み心地を良くするための工夫についてお伝えします。
INDEX
小さい家を建てるメリットは?
価格面のメリット
小さい家を選ぶメリットとしてまず挙げられるのが価格の安さです。
小さい家はそれだけ使用する建材も少なくなるので建築費用が抑えられます。
また、所要日数も短くなるので人件費も安くなります。家一軒を建てるためには何人もの作業員が働く必要がありますが、建築に要する日数が短くなることで人件費の削減に繋がるのです。
作業用の車両や工具類のレンタル料金も建築費用に上乗せされるのが普通ですが、その分の出費も抑えることができます。
住み心地のメリット
コンパクトな作りの小さい家は、単身者や夫婦に子供一人だけなど、少人数の世帯にとって住み心地が良い物件と言えるでしょう。
部屋数が多くなるとそれだけ毎日のお手入れに手間がかかります。人数が少ないとそれだけ一人当たりの負担が増しますが、小さい家ならそのようなことはありません。
特にミニマルな暮らしを営む人にとって部屋数が少なく、建物自体も小さい家は理想的なマイホームです。
必要最低限の物以外は一切持たないミニマルな暮らしは、小さい家でこそ実現可能な生き方と言っても過言ではありません。
住環境のメリット
建てる場所を選ばないのも小さい家ならではのメリットです。
家を建てるのに必要な敷地は広くなるほど確保が難しくなりますが、小さい家ならそのようなことはありません。用途地域など法律上の制限はありますが、その点をクリアできればどこにでも建てることが可能と言えます。
自分が求める環境にマイホームを建てるのが容易なことこそ、小さい家の魅力です。
小さい家を建てるデメリットは?対処法もご紹介
収納スペースが少ない
小さい家は建物の作りが小さい分、内部構造もコンパクトにまとまっています。
ミニマルな暮らしには向いていますが、収納スペースが限られている事実は否定できません。
必要な物を置くことも難しいという事態に陥る可能性があるので収納スペースを増やす工夫が求められます。
持ち物を増やさないことはもちろん、吊り下げ式の収納ボックスを取り付けるなど空きスペースを上手に使いこなすことが肝心です。
間取りの設計難易度が高い
家作りでもっとも難しいのが間取りの設計と言われています。
特に建て主の希望が優先される注文住宅の場合、間取りの決め方で居住性が大きく左右されます。
限られた建物面積の中でいかに快適な住環境を実現できるかという意味では、大きな家よりも小さな家のほうが設計力が試されるといえます。
建築の知識に乏しい素人が安易に決めてしまうと建てた後で後悔する羽目になってしまうので、間取りの設計は専門業者に任せるのが賢明と言えるでしょう。
また、プロの業者でも技術力や評判の良し悪しに違いがあるので事前の情報収集は入念に行う必要があります。
家具の配置が難しい
小さい家は床面積も限られているので家具の置き方にも工夫が求められます。
好みの家具を購入しても置くことができないという事態にならないために、置き場所の寸法や使い勝手を具体的に検討したうえで購入を決めましょう。
家づくりの設計段階でおきたい家具が決まっているなら、その家具に合わせて設計をするのも良いですね。
使う機会が少ない家具は最初から置かない他、必要な家具も不便に感じない程度の小さいサイズを選びます。横幅だけではなく奥行きや背の高さも考慮するのが上手な選び方です。
同じメーカーなら規格が統一されていることが多いので、無駄な空きスペースを作らず効率的に配置することができます。
小さい家でも便利に!利便性を高めるアイデア6選
廊下や階段を削る
小さい家を建てる際に問題となるのが廊下や階段の広さです。
家の中を行き来するのに必要ですが、その一方で家具などを置くのに適していない他、くつろぐためのスペースではありません。
リビングや寝室などくつろぐための部屋を広く取るためにも、行き来の際に困らない程度までスペースを削る工夫が求められます。
もちろん、過剰にスペースを削り過ぎて、生活動線が不便になっては本末転倒。プロの設計士と相談し、バランスの良い設計を心がけましょう。
階段をリビングに設ける
小さい家を建てる際、階段専用のスペースを設けるのは現実的とは言えません。
限られた敷地をどれだけ効率的に使うかが重要になるので、階段を置くスペースはリビングなど広い部屋と兼用させるのが良い方法です。
目が届く範囲に階段を置く形になるので、昇り降りの見守りにも便利と言えます。
デッドスペースを有効活用(階段下・廊下など)
どのような建物でも階段下や廊下など、デッドスペースと呼ばれる無駄な空きスペースが発生します。
広さが中途半端なために大きな家具を置けない、くつろぐのに適していないなどの問題がありますが、小さい家で快適に暮らすならデッドスペースの有効活用は避けられない課題です。
小物入れなどコンパクトな作りの家具を置く、トイレなど使用時間が短い設備を設けるなどの対処法が小さい家に向いていると言えるでしょう。
ロフトやスキップフロアを設置する
天井近くの空きスペースを活用できるロフト、小上がりとも称されるスキップフロアも小さい家の居住性向上に役立ちます。
ロフトは就寝スペースや物置に使うことが可能です。
スキップフロアは室内の景色にアクセントが加わる他、少量の物品を置くのに便利です。
内装を白ベースにする
天井や壁などの内装を白色系にすることで室内をより広く見せることができます。
白い色は軽くて開放的なイメージがあるので、のびのびとした感じを演出することが可能です。清潔感もあるのですっきりした雰囲気を作ることもできます。
居住スペースが限られている小さい家ほど、白色系の内装が適していると言えるでしょう。
ウッドデッキを設け、暮らしをソトにひらく
ベランダなど小さな空きスペースを上手に使いこなす方法としてウッドデッキの設置があります。
木材の柔らかい質感は家庭的な雰囲気をもたらす他、屋外に設けることによって暮らしの空間を広く感じさせることが可能です。
ウッドデッキがあればベランダを経由した行き来も自然に行うことができるので、生活スタイルにアクセントが生まれます。
小さい家でも広いキッチンをつくるコツ
生活空間の中でも、特に作業時間やタスクが多く、物も多くなりがちなスペースが「キッチン」です。
作業効率の良いキッチンが実現できるかどうかが、小さな家でもストレスフリーに暮らせるための大切な要素です。
ここでは小さな家におけるキッチンの考え方をお伝えします。
可動式の作業台を設置する
キッチンは料理を楽しむ人にとって重要な設備ですが、小さい家の場合は十分な広さを確保するのが難しいのも事実です。
作業台を可動式にすることで、限られた空間でも多用途に活用することができます。
例えば、折り畳み式の作業台なら、普段は畳んでおいてすっきりと、広い作業台が必要な時にはさっと広げて使うことができます。
小さな家では、ひとつの空間の機能を限定せずに、複数の使い方の可能性があると便利ですね。
壁や床下のスペースを有効利用
キッチンでは調理器具や食器、調味料など様々な物を使います。
家具を置くとそれだけスペースが狭くなってしまうので、壁や床下などに収納スペースを設けるのが現実的な対処法と言えるでしょう。
壁一面を収納にした場合、奥行きがそれほどなくても上手に設計すればかなりの収納量が確保できます。無理なく手が届く範囲に使用頻度の高いものを置いて、最上部などの手が届きにくいところには使用頻度の低いものを収納しましょう。
床下収納は、居住空間を犠牲にせずにまとまった収納を確保できる、小さな家にぴったりの収納計画です。床下は室温の変化が比較的少ないため、根菜などの野菜類やストック飲料など、長期で保存しておくものの収納としてもぴったりです。
小さな家の実例をご紹介!
二階建ての小さな家の実例
こちらの二階建ての家の延床面積は25坪弱。ご夫婦とお子様1人の3人住まいです。
小さな家でありながら開放感のある間取りを実現したポイントを紹介します。
吹き抜けを大きくとる
床面積が25坪弱でありながら吹き抜けは8畳。リビングダイニングの上は大きな吹き抜けです。
思い切って大きな吹き抜けにすることで、リビングダイニングは狭さを感じさせません。
また、1階はほぼ廊下がなくワンフロアに。
縦にも横にも視線が抜けるので開放的な広々した空間が実現しました。
リビングの一部を畳コーナーに
限られた坪数の中でも畳のスペースを確保したい。
そこで、和室ではなく、リビングの一角を畳コーナーとしました。
思い切って建具をもうけなかったことでフラットに広々と使うことができます。
ちょっとゴロゴロしたい、お昼寝したい、という時にも最適ですね。
ダイニングテーブルを置かない
ダイニングテーブルを置くためにはどうしてもある程度のスペースが必要になります。
そこで、キッチンカウンター一体タイプを採用し、朝食やおやつ、お茶の時間はキッチンカウンターで過ごすようにしています。
夕食などみんなで食事をとる時はリビングの座卓を囲みます。
ダイニングテーブルを置かないことで自由な空間が生まれました。
土間サロンは玄関を兼ねてちょっと広めに
玄関から土間サロンを通り、リビングへ入ります。
「入口」としての用途だけでなく、時にお子様の遊び場として、奥様の趣味の時間を過ごす空間として、
休日は家族で朝食を取ったり、暖房や観葉植物を置いたり…様々な使い方ができます。
小さな家だからこそ、土間サロンがあると暮らしが豊になりそうですね。
平屋の小さな家の実例
こちらの平屋の家は約25坪、ご夫婦とお子様2人の4人住まいです。
小さな平屋でも余白を楽しみながら暮らす間取りのポイントを紹介します。
土間サロンは6畳
こだわりの薪ストーブが置かれた土間サロンは、25坪の床面積のうち6畳(3坪)を占めます。
あまりものを置きすぎず、広さも十分あるので自由に使うことができる土間サロン。
冬は薪ストーブの炎のゆらぎをながめたり、ストーブのオーブンでパンを焼いたり。
薪ワゴンも置くことができます。
ダイニングテーブルを置かず、使い方を決めない
CUBEキッチンにお気に入りのハイスツールを置き、そこで食事をとることもしばしば。
LDK、ダイニングテーブル+ソファというよくある間取りは避け、自由さを残した間取りにしました。
使い方を決めないことで、小さな家を建てても自由な暮らしが実現できます。
子供部屋はロフトに
平屋ならではの天井の低いロフトスペース。
2人だけの秘密基地のような子供部屋です。
勉強をしたり遊んだり、友達を招いても楽しそうです。
小屋裏をロフトスペースとして無駄なく有効活用することで、小さな家でも遊び心のある空間が実現できました。
まとめ
小さい家づくりを成功させるためには、限られた面積を有効に活用し快適に暮らすためのさまざまな工夫が求められます。
小さい家だから素人でもプランが出来そう‥と考えるのは失敗のもと。小さい家だからこそ、経験豊富なプロに相談したいものです。
自分たちにぴったりの無駄のない小さい家づくりをしたい方は、長野県で注文住宅の実績1200棟を誇る私たちフォレストコーポレーションにご相談ください。
無駄なスペースを排除し、小さい坪数でも伸びやかな空間を演出する「広がり間取り」のプランニングを得意としています。
ベースプランと概算お見積りのご提案は無料です。お気軽にお声がけください。
私たちは設計士や施工管理士といった建築のプロでありながら、全社員が「信州コンシェルジュ」として豊かな信州ライフをサポートしていきます。
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