平屋の外観をおしゃれにする7つのポイントとは?事例もご紹介!
雑誌でも特集が組まれるなど、近年人気が高まっている平屋。
その人気の理由の一つに外観の魅力があげられます。屋根の高さが抑えられ、ゆったりと落ち着いた風貌の平屋は幅広い年代から支持を集めています。
ただし、外観をおしゃれなものとするためにはポイントを抑える必要があります。
ここではおしゃれな外観デザインのポイントを解説していきます。事例もご紹介するので参考にしてくださいね。
INDEX
- おしゃれな外観デザインにするためのポイント
- 平屋の外観デザインで失敗する原因と対策方法
- 平屋の外観は機能性とデザイン性のバランスが大切
- おしゃれな平屋の外観デザイン例7選
- 家づくりについて相談会で聞いてみよう
- まとめ
おしゃれな外観デザインにするためのポイント
カラーリングと素材感
外壁は面積が広いため、選ぶ色や素材によって外観の印象を大きく左右します。
カラーで言えば、近年人気が高まっているブラックやダークグレー、ネイビーなどの濃い色と根強い人気のあるベージュやホワイト系の淡い色合いとでは受ける印象が異なります。
よりモダンなテイストが好みであればダーク系、ナチュラルなテイストであればクリーム系などを選ぶと良いでしょう。
また素材の質感も外観イメージをつくる重要な要素です。
窯業系サイディング、ガルバリウム鋼板(金属サイディング)、自然素材や外壁用塗料の塗り壁、焼杉、板張りなど様々な素材を選択することができます。
すっきりとスタイリッシュな印象にしたければガルバリウム鋼板、温かみが出る素材であれば塗り壁や板張りがおすすめです。
色合いと素材感の相性やバランスをイメージしながら決めていきましょう。
屋根のデザイン
平屋の屋根は外壁同様に外観デザインを左右する重要なポイントです。
屋根のデザインは大きく形・高さ・素材・カラーで構成されますが、ここでは形について解説していきます。
平屋の代表的な屋根として以下の三種類があげられます。
切妻屋根
切妻屋根は、最頂部から二方向に勾配を付けて下した屋根です。
妻側から見ると三角形に見える屋根が特徴で、日本で古くから採用されてきた屋根の形です。和洋、どんなテイストの家にも合う万能なデザインで、街並みに溶け込むシンプルさが魅力です。
大屋根
切妻屋根の一種で、一階から二階など階数をまたぎ一枚の屋根をかける大きな屋根のことを指します。また屋根の棟を建物の長手ではなく短手方向にたてたものも大屋根と呼びます。大きく葺き下ろす一枚の大きな屋根がダイナミックで印象的な外観を作り上げます。
片流れ屋根
片流れ屋根は一枚の平らな板を一方に勾配をつけて建物に乗せたような屋根です。
つける勾配によって印象が変わりますが、スタイリッシュなイメージです。カラーや素材により様々な見せ方ができ、人気のある形状です。
平屋の屋根は二階建てよりも視界に収まりやすいため、形だけでなく素材やカラー、外壁とのバランスも大切に考えて決めていきましょう。
壁面にアクセントを計画
平屋は建物に屋根がかかるシンプルな構造なだけに、外観が寂しくなる可能性もあります。
そんな場合には外壁の一部に異なる素材を配したり、アクセントカラーを取り入れたりすると外観が華やかになります。
例えば塗り壁やサイディングの一部に板張りを採用するとナチュラルな印象を持たせることができます。塗装するカラーによって多種多様なイメージを実現できるため、メインのカラーと合わせながら選んで下さいね。
木部はメンテナンス周期が他の部材と比較して短いため、その点も考慮して部分的に取り入れると良いでしょう。
また、軒の出を深くすることで、壁面に影が落ち陰影を生むことができます。のっぺりとせず、凹凸を感じられアクセントとなりますし、日射を制限する機能性も夏場に重宝します。
アクセントとする箇所は玄関周りや道路から良く見える面などにすると効果的です。
ウッドデッキを設ける
外観を構成する要素は壁と屋根だけではありません。
ウッドデッキやテラスなど家の外部に付属する部分も外観に変化を与えてくれるパーツです。
中と外を繋ぐ緩衝地帯のウッドデッキ。
温かみを感じさせてくれる木部は視覚的にも庭と家をまとめる役割を担います。塗装するカラーや手摺りの有無によってもイメージが変わるため建物とのバランスをみてデザインしましょう。
テラスについてもタイルやモルタルなど様々な仕上げ材があるためイメージに合うものが見つかるでしょう。
平屋の外観がより立体的となり、目を引かれる外観となりますよ。
外構にもこだわる
平屋に限りませんが、外観をおしゃれに見せるには外構計画も大切なポイントです。
建物自体がシンプルでも、庭やフェンス、アプローチ、駐車スペースなどの外構が整っていると外観全体が見違えるほどおしゃれになります。
玄関周りに植栽があるとグリーンが差し色となり、家の顔が洗練された雰囲気となります。アプローチも合わせて計画すると、毎日帰宅の時間が楽しみに。お客様も内部への期待が高まります。
庭にはシンボルツリーを植えると花を咲かせたり紅葉したりと季節ごとに表情を変え、外観の印象も変わっていきます。冬場にはセンス良くライトアップして楽しむこともできますね。
平屋は全ての部屋が地面に近いため、間取りと一緒に庭の計画もすることでより自然を身近に感じられる日々を過ごせます。
またフェンスも目に留まる面積が大きいため、こだわって計画したい部分です。外壁カラーに合わせコーディネートするとまとまりがでますよ。
家を建てる時にはぜひ外構も一緒にプランニングしましょう。
周辺環境との相性
おしゃれな家というものは、家単体だけではなく、周囲の環境との調和も考えられています。
例えば古い町並みが残る街道沿いであれば、洋風やモダンな家よりも縦格子などを配した和風の落ち着いた色彩の家の方が調和がとれます。
別荘地であれば彩度の高いカラーや人工的な素材感よりも、周囲の木々に溶け込むようなウッディな家や自然素材を使った塗り壁の家、木の窓枠を取り入れた家などが似合っています。
新しく分譲された土地であれば様々なテイストの家が立ち並ぶため、モダンやスタイリッシュなコーディネートも楽しめるでしょう。
自分の好みを追求した外観デザインも良いですが、街並みの景観と一体感のある外観とすることでセンスが際立つ家となります。
平屋の外観デザインで失敗する原因と対策方法
おしゃれな外観が魅力の平屋。デザイン性にこだわりを持って建てたいですよね。
しかし中には建てた後に後悔してしまう例もあるようです。どのような点に気を付ければよいか、確認しておきましょう。
デザイン性を重視するあまり使い勝手を考えず後悔
無駄をそぎ落としたスタイリッシュな家に憧れる方もいますよね。
ところがデザイン性を追求するあまり、必要なものまで削ってしまわないよう注意が必要です。
例えば軒や庇。窓回りをすっきりとさせるために庇を取り付けしない場合もありますが、小雨でも窓から雨が吹き込んでしまう・鳥のフン害に合うなどの可能性があります。
軒の出が短い場合は夏場日射を制限することができず、家の中に陽が差し込んで気温が上がりやすくなります。また雨が降ると窓を開けることができず、換気や通風の点で不便な点が出てきます。
またこれらは外壁を直射日光や風雨から守るという役割も負っています。軒を出し、庇をつけることによりメンテナンスの頻度が下がる傾向にあります。
また洗濯物を干す空間の確保も忘れてはいけません。
バルコニーや二階の窓から洗濯物や布団を干すことができない平屋ではテラスやウッドデッキがあると便利です。
さらに軒がかかっていると共働き家庭でも外干しをすることができますよ。物干し場としてだけでなく、中のように使える外空間として、休日の食事やおうちキャンプ、子ども達の遊び場など万能に使える空間として重宝します。
リビングとフラットにテラスを設ければ窓を開けて室内と繋げて使うことができ、より広がりを感じることもできます。
住み心地も考えた窓計画
思い切った大きな窓のある家は素敵ですよね。カフェやギャラリーのように洗練された雰囲気を感じられます。
外観の魅力だけでなく、暮らしの中でも大きな窓を介した外との繋がりは開放的で気持ちいいですよね。冬の日中も温かな日差しを取り入れることができます。
しかし一方で、窓は家の中で最も冷気や熱気が入り込む場所です。大きな窓をとる場合にはトリプルガラスや高性能のサッシなど断熱対策をしっかりと行っておくことをおすすめします。
またせっかく大きな窓を作ってもカーテンを開けられないのでは意味がありません。
住宅街であったり人通りの多い道沿いに建てる場合は視線の高さからずらして窓を配置したり、フェンスや生垣で目隠しをしたりと対策をとる必要があります。
大型の窓を外観デザインに取り入れるには、外部からの見え方や住み心地との兼ね合いを十分に検討すると、後悔を減らすことができるでしょう。
最初に全体のテイストを決めずチグハグに
外観をおしゃれにコーディネートするには、まず始めに全体のテイストを決めることが大切です。
玄関扉や外壁カラー、素材、照明やポストに外構など外観を構成する要素は多数ありますが、パーツごとに選んでいくとチグハグな印象になってしまう可能性があります。
外観を考える際には建築事例等を見て、気に入ったイメージを探してみてください。複数あれば、そのイメージに共通するポイントを探してみましょう。すると自ずと目指したい方向性が見えてきます。そのイメージに沿って各部材を選んでいくと統一感が出て洗練された外観が実現できるでしょう。
建築会社のプロのインテリアコーディネーターにトータルでコーディネートをしてもらうのもお勧めです。
平屋の外観は機能性とデザイン性のバランスが大切
せっかく建てる平屋、かっこいいデザインはもちろんのこと、住み心地もよい家にしたいですよね。
家は快適であってこそ長く大切に住んでいくことができます。デザインを重視するあまり、住み心地を疎かにしては本当に良い家とは言えません。
特に平屋で問題となりがちな採光・通風・防犯対策はしっかりと検討しておきましょう。家の形状や、庭の取り方、窓の取り方、外構も含めたプランニングなどで解消することができます。
間取りと外観デザインのバランスを取りながらプランニングしていくことが、長く飽きることなく愛着を持って住まうためのポイントです。
おしゃれな平屋の外観デザイン例7選
白い外壁が目を引く片流れ屋根の平屋
開けた田園風景の中に佇むこちらの平屋は、潔いほど真っ白な外壁とオリーブカラーの板張りのコントラストが目を引きます。敷地内のログハウスや蔵と色味を合わせ、風景に馴染むよう考慮しました。
下屋のかかった板張り部分は土間サロン。ブラックの窓枠で引き絞めた大きな開口部と、そこから覗くこだわりのインテリアがどこかショップのような洗練された雰囲気を醸し出します。
屋根形状はすっきりとした片流れの屋根。大きく設けた下屋でバランスがとれたナチュラルモダンな家となりました。
ナチュラルなカラーが風景と調和する平屋
こちらはシンプルな切妻屋根の平屋です。故郷に建てた家、大切にしたのは風景との調和でした。
屋根は勾配を緩くし、背後の山並みに沿う形状に。厚みまで検討し、少し薄くすることで軽やかな印象となりました。
軒は少し長めに出すことで、安定感のあるバランス良い見た目と、夏の日射を遮る実用性を両立しています。
カラーは板張り部分も塗り壁部分と同系色でまとめ、濃淡のアクセントをつけています。周囲の自然からとったようなナチュラルなカラーリングがポイントです。
横に並んだ掃き出し窓もアクセントとなっていますね。
グレーの塗り壁と片流れ屋根がスタイリッシュな平屋
グレーの塗り壁と勾配の急な片流れ屋根がスタイリッシュな平屋です。
玄関ポーチと窓、カーポートなど要所に配したダークブラウンの板張りがアクセントとなり、気品を備えたシックなカラーリングが特徴です。
道路側は視線を考慮して窓を最小限に絞り、植栽やフェンスで表情をつけて。一方プライベートな庭側には大きな開口とウッドデッキを設け、外との繋がりを楽しめるよう計画しました。
フェンスや窓枠はブラックを採用し、締まりのあるデザインの平屋となっています。
蔵と調和する平屋
こちらは蔵や石垣に松、竹林と、和の香りが漂う土地に建築した平屋です。
もともと都市部にお住まいだったご夫婦がアルプスの景色に見惚れて移住を決意し、購入した土地での計画は蔵と色味を揃え、昔からそこにあったように馴染む外観となりました。
腰壁や妻側の面格子、ダークブラウンの窓枠に縁側など、和風の要素が詰まったコーディネートでまとまっています。
切妻屋根はどんなテイストにもよく合いますが、和風の家にもぴったりです。シンプルで素朴な、新築なのにどこか懐かしさも感じる家に仕上がりました。
板張りの外壁とタープを張ったような屋根の平屋
キャンプ好きのご夫婦のカラーがにじみ出る、山小屋のような、ラフな印象の平屋です。
板張りはメンテナンスが必要になるため難色を示す方も多い中、ご夫婦はむしろ手をかけたいとおっしゃいます。
板の色は木本来の色味が生きるクリア塗装。同じ色味のウッドデッキには軒が深くかかり壁面に立体感を生み出しています。
屋根は見る方角によって全く異なる表情を見せる独特な形状です。
一方から見ると片流れ、もう一方から見ると小屋のような三角形、また違う一方から見ると二辺の勾配が異なるタープを張ったような屋根に。つい目に留まる、どこから見てもかっこいい外観となりました。
白木の板張りがアクセントの平屋
淡いベージュの塗り壁がベースの平屋。敷地内新築のため、既存の母屋や和風の庭との調和も考慮しました。
片流れ屋根のシンプルな形状と主張をしないカラーでまとめた外観ですが、外土間の壁を白木の板張りとし、アクセントとしています。
開口部をブドウ畑が広がる東に集めたメリハリのある窓計画が特徴的で、ブラックの窓枠も締め色としてデザインの一役買っています。
印象的な煙突や窓枠、地窓などシンプルながらも各所にこだわりが見て取れる洗練された平屋となりました。
縁側が和の風合いを醸し出す平屋
りんご畑に隣接する平屋の家。
どこか懐かしい感じのする縁側は、畑仕事の休憩に腰掛けたり物を置いたりと実用性が高いうえ、外観のアクセントにもなるこの家にとって外せない部分です。
クリーム色の外壁にダークブラウンのアクセントカラーがよく合い、落ち着いた印象となっています。
妻側には面格子を取り付け、和の趣がある外観にまとまっています。
また軒天は板張りとし、見上げた時に木の表情が楽しめるようになっています。
リビングに面した掃き出しの窓からはのどかなりんご畑を臨み、風もよく通る窓計画です。
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まとめ
二階建てとは異なり、全体に視線が届きやすい平屋の外観。おしゃれにまとめるためのポイントをご紹介しました。
外観は全体のバランスが大切です。カラーや素材、屋根の形や窓の大きさなど決めることはたくさんありますが、イメージに沿って複合的に決めていきましょう。その際デザインだけでなく、視線や断熱性など実用面も考慮すると快適に過ごせるでしょう。また、より広い視点で地域や風景と調和するかという点も考えてみてはいかがでしょうか。ポイントを参考に素敵な平屋を計画してください。
私たちは設計士や施工管理士といった建築のプロでありながら、全社員が「信州コンシェルジュ」として豊かな信州ライフをサポートしていきます。
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