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地方に移住して農業を始めたい!移住スタイルやおすすめのエリアをご紹介

地方に移住して農業を始めたい!移住スタイルやおすすめのエリアをご紹介

今やあらゆる年代が関心を寄せる移住。その目的は人それぞれですが、中には農業をするために移住を考える人も少なくありません。
しかしいざ移住をし、農業を始めたくても何から手をつけたらいいか、初めの一歩が出ない場合も多いのではないでしょうか。
ここでは移住して農業を始めたい方に向けて、方法や手順、情報の集め方など解説していきます。参考にしてくださいね。

 

目次

 

 

移住して農業を始める人は増えている?

国や自治体は、農業界の深刻な人手不足解消のため農業に新規参入する人への支援や情報提供など、様々な施策に取り組んできました。
このような背景が農業に憧れを持つ方にとって追い風となり、実際に都市部から農業が盛んな地域へと移住する人が増加しています。

特に、農業インターンシップの参加者をみても20代から40代が多く、若い世代の農業への関心の高さが伺えます。そういった方の中には、農業を趣味ではなく仕事として生計を立てていきたいという志を持つ方も多いです。

 

 

農業移住のスタイル

ひとくちに農業移住といっても就農を目指す方もいれば自分たちが食べる分を作れれば十分という方まで様々です。移住後の「農」との関わり方をご紹介します。

 

家庭菜園

庭いじりする手

家庭菜園とは、自宅のベランダや庭などで野菜や果物を栽培するスタイルです。近年では貸農園も増えていて、畑の一画を使う方法もあります。

基本的に自分や家族が食べる分を生産するため、農作物を育て出荷し収入を得る農業とは異なり収入には繋がりません。その分、土地や機材を用意する必要がなく、手軽に農に関わる暮らしがはじめられます。自分で育てた作物を食べることができるのは、農業に憧れる方にとって何よりも魅力的ですよね。

移住を機に、自分で土に触れ野菜を育ててみたい、収穫する喜びを味わいたいなど、趣味として農と関わる暮らしがしたいという方におすすめのスタイルです。

 

半農半X

半農半xとは、農業と別のやりたいことを両立していこうというライフスタイル。
農業による利益を目的としておらず、自分たちが食べる分だけ作れば良いという考え方で、農業による負担を大きくしすぎず、余力を自分の好きなことに費やすという観点が特徴です。

特に、都市部から地方へ移住する若い世代に注目されており、半農半サラリーマン、半農半ミュージシャン、半農半レストランなどXの部分は人それぞれ。
より高い収入を求める人には不向きですが、生活費を稼ぐためだけの暮らしではなく、自分が大切だと思えることに力や時間をそそげるのが大きな魅力です。

 

兼業農家 

兼業農家には、農業の収入がメインとなる第一種兼業農家と、会社員や自営業などの本業から収入を得ながら副業として農業収入を得ている第二種兼業農家があります。

近年では、地方に移住してリモートワークで本業を行い、副業として農業を行っている第二種兼業農家が増えています。本業からの収入があるため、自分のペースで農業を楽しむことができるのが魅力です。
農地を購入するのはハードルが高いという方には農地のレンタルサービスを利用する方法もありますよ。将来的に農業経営を目指しているけれど、いきなり仕事を辞めるのは不安という方におすすめです。

 

農業バイト

土を触る手

農業バイトでは、農家さんの元で、種まき、収穫、選別、出荷などの農作業を行います。単発、短期、長期と様々な働き方があり、中には住み込みで受け入れているケースもあります。

新規就農を目指す方にとっては、収入を得ながら農業の経験や知識を深められるというのが大きなメリット。また、資金調達や経営の心配をすることなく本格的な農業を体験してみたいという方にもおすすめです。

副業が可能な会社に勤めていれば、現在の仕事を辞めることなく農業と関わる暮らしをすることもできますよ。
求人サイトには様々な農業バイトの求人が掲載されているので、ライフスタイルにあったものを探してみてくださいね。

 

農業後継者になる

就農を目指す方の選択肢として、既存の事業を後継するという方法があります。
これまでの農家では、親族に経営を継承するのが一般的でしたが、後継者不足に悩む農家が増加し、廃業せざるを得ない状況に追い込まれる農家も出てきています。

そんな後継者不足を解消するため、後継者がいない農家と、後継者となる新規就農者を繋げる取り組みが進められています。農地や機械のほか、技術やノウハウなども引き継ぐことができるので新規就農のための問題が解決できるというメリットがあります。また、継承後の活動を支援してくれる制度もありますよ。

 

新規就農

花栽培のハウス

新規就農とは主に、自ら新規で農家として独立・起業し事業を展開していくことを指します。
理想の農業を目指してアイディアを生かしたい、栽培する作物や販売方法まで全てを自分で決めたいという方にとって魅力的なスタイルです。

一方で、土地や設備投資用の資金調達、販路の確保まで全て自分で行うといった苦労もあります。また、農業経営だけで生計を立てるのに時間がかかることも多いです。

助成金や農地の斡旋をおこなうなど、新規就農者に対しての支援が手厚い自治体もあるので、十分な情報収集や計画のもと持続可能な新規就農を目指しましょう。

 

 

農業移住するまでの流れ(新規就農の場合)

ここでは、移住して新規就農を実現するまでの一般的なステップをご紹介します。移住して農業を仕事にしたい、という方は参考にしてください。

 

情報収集、移住先候補を検討

農業移住に興味を持ったら、まずはじめにやることは情報収集です。就農に関するメディアのほか、自治体や企業による就農の相談会に参加し話を聞くのも良いですね。

実際に就農された方々の状況や自治体の支援策、収入や生活の不安についても相談に乗ってもらえます。農業とはどういうものか、新規就農に必要な準備や覚悟など具体的にイメージするのに役立ちますよ。
作りたい作物や、どんな農業がしたいかを明確にしながら移住先候補を検討していきましょう。

 

移住候補先の新規就農相談センターに相談

移住先の候補がピックアップできたら、その地域の新規就農相談センターに問い合わせをしてみましょう。後悔のない農業移住を行うためにも、そこで自分の思い描く農業が実現できるか、地域の実情を知ることが重要です。

農業を始めるためにまず何をすれば良いかというところから、就農できる場所はあるか、技術の習得方法など農業移住に関する疑問に答えてもらえます。
また、新規就農を目指す方向けに現地見学会を行うなど就農への活動をサポートしています。

 

農業体験などで現地に赴く

短期の農業体験や農家でのバイトなどで移住候補先に足を運ぶことも大切です。
農業インターンシップの相談窓口としては、日本農業法人協会や全国新規就農相談センター、農業に特化した求人支援サイトがあります。

実際にその地域で農業を体験することにより、本当に農業をやっていけるのか、その土地で暮らしていけるかを見極めてください。
移住してからこんなはずではなかったと失敗しないためにも、納得ができるまで何度でも足を運んで農業や地域への理解を深めましょう。

 

家族全員で農業移住を決断、移住

独身でない限り、実際に移住・就農するとなると家族の理解が必要です。情報収集によって移住や就農に対する明確なビジョンができたら、今の仕事はどうするのか、移住後の暮らしや収入の計画など様々な面から、家族全員でしっかり話し合います。

家族全員で納得し、移住の意思が固まったら、いよいよ移住です。移住後に住む場所を決め、転居の手続きを行っていきます。移住後はどこで農業のノウハウを学ぶのかということも決めておくとスムーズです。

 

農業研修と並行して営農計画を作成する

移住後は市町村やJAによる農業研修や農業法人の研修生となって栽培技術や農業経営の実務などを学んでいきます。就農する地域での研修は、地域や農家さんとのネットワークを築くことにも繋がります。

農業研修を受けながら、研修を終えて独立する時の準備として営農計画の作成も行います。営農計画とは、約5年先までの生産計画・販売計画・資金計画を記したもので、独立の際には、市町村の農業委員会等に所定の様式による営農計画書を提出する必要があります。

 

農地の取得

農地の確保は、新規就農者にとって最大のハードルと言っても過言ではありません。
農地法により農地を購入するにしても借りるにしても知事、あるいは農業委員会の許可を得る必要があります。農地取得のルールを踏まえて、農地取得に必要な要件を満たしておきましょう。さらに、優良な農地と出会うためには農業研修などを通して地元の農家さんとの信頼関係を築いておくことも重要です。

疑問がある場合には農業委員会事務局窓口等に相談することができますよ。

 

 

地方の農業支援制度

ここでは全国で最も農家数が多く、種類豊富な作物が作られている農業大国、長野県の農業支援制度について解説していきます。

 

就農コーディネーター

就農コーディネーターは長野県内10か所の地域に分かれ、各地域ごとに就農を志す人の相談を個別に受ける県の取り組みです。
北信、長野、上田、佐久、北アルプス、松本、木曽、諏訪、上伊那、南信州に分かれ、特色ある県内全域をカバーしています。

資金の活用方法や営農計画の作成についてアドバイスを行っているため、就農地が決まり、ある程度具体的に農業経営を考えている人に適した支援制度と言えるでしょう。
定期的に開催される農業経営講座では農業簿記など農業経営能力を高める知識を習得できます。

また、地域によってはオンラインでの意見交換会なども開催されています。これから移住し就農を考えている人が同様の経緯で実際に就農している人と直接話ができる貴重な機会です。地域がある程度絞れた人、また移住や就農について考え始め体験談を聞いてみたい人も一度覗いてみると良いでしょう。

就農希望エリアが決まっている方|デジタル農活信州

 

農業大学校で就農体験研修

トラクターのタイヤ

長野県農業大学校では、農業に興味を持ち、将来長野県内へ移住を希望する人や、すでに移住した人達を対象に農業に親しむ体験型研修「農ある暮らし入門研修」を実施しています。

小諸市にある研修部にて一泊二日で行われ、季節ごとに異なる作物の研修を受けることができます。
先輩移住者の体験を聞いたり、農具の使い方や栽培管理方法までを実習で習います。また農業や田舎暮らしについてなど全般的な内容を座学で学ぶ時間もあります。

また農業大学校ではWEBによる就農相談会も開催され、農業の基礎や就農までの流れを学ぶことができます。移住前や遠方にお住まいの人も気軽に参加することができますよ。

移住し就農する意志が固まった人にはより具体的な内容の研修を行っており、農作物の栽培技術や農業機械の研修など実践的な内容を学ぶことができます。

このように農業に興味のある人から具体的に就農を学ぶ人まで段階的に研修を受けていくことができる農業大学校。HPから情報収集してみてください。

農ある暮らし入門研修|長野県農業大学校

 

長野県農業担い手育成基金

長野県での就農のために幅広い情報が取得できるのが公益社団法人長野県農業担い手育成基金です。県をはじめ、各市町村、農協などが会員となり農業の担い手を確保し、育てていくために就農支援を行っています。

年々農業就業人口が減少している長野県。あらゆる資金の助成事業や若手就農者に対する相談支援、農業に興味がある人の相談業務など、幅広い業務を行っています。
長野県内の農業や農村についての概要から就農に当たって必要な基礎知識、就農に到るまでのステップなど、基本的な情報も集められるため長野県への移住や就農を考え始めた人も気軽に相談できます。

HPには農業に関する豊富な情報が載っています。
自己就農適性診断など興味深いコンテンツもあり、農業を考え始めた人に農業の大変さも踏まえて必要な知識、準備や覚悟を紹介しています。先輩インタビューや女性の農家など生の声を聞くことができるページもあり、農家としての生活がイメージできるのではないでしょうか。各地で行う農業体験やセミナーなどの情報も随時更新されているのでチェックしてみてください。

長野県農業担い手育成基金
デジタル農活信州

 

市町村ごとの助成金

長野県では各市町村ごとに就農者に向けた助成金事業があります。

例えば、長野県で初めてワイン特区が認定された東御市では新規農業参入者で里親研修を受ける人に対し住宅を格安で貸し出しています。さらに新規就農者等補助事業として苗木購入費の50%、また農地の賃借料の50%を助成するなど手厚い支援を行っています。

また上田市では就農を希望する首都圏在住者に向けて二年間の農業研修期間中に月14~15万円の給料の支給をしたり、49歳以下の認定新規就農者を対象に新規就農者育成総合対策経営開始資金として最大3年間、年に150万円を補助しています。

このように県内各市町村で新規就農者に向けた助成金事業があるので、下のリンクより該当地域の助成金はあるか、検索してみてください。

支援制度一覧|楽園信州

 

 

農業移住におすすめのエリア

県土の広い長野県。エリアごとに気候風土が異なるため、作られる農作物も地域ごとに特色があります。ここでは大きく3つのエリアについてご紹介します。

 

高原野菜が全国1位の東信エリア

レタス畑

東信は晴天率の高い長野県内でも最も晴天率が高く、標高も高いためカラッとした空気が心地よい地域です。

八ヶ岳や浅間山など山に囲まれた地域でもあり、山裾に行くと標高が高く、冷涼な気候となっていきます。
野辺山高原の川上村や南牧村はレタスや白菜などの高原野菜が有名です。レタスは全国で1位の収穫量、白菜は2位の収穫量ですが、そのほとんどを東信エリアの市町村での収穫が占めます。

高原野菜の採れる地域の標高は1,000m~1,500mと高く、冬は寒さが厳しいですが夏は冷房いらずで心地よく過ごすことができます。高原野菜に挑戦したい方は東信エリアがおすすめです。

 

種類豊富な果樹園広がる北信エリア

リンゴ畑

北信エリアは様々な果樹が豊富に栽培されている果物大国です。
長野県はネクタリンやプルーンで全国収穫量1位となっており、全国収穫量2位のブドウやリンゴ、あんずも北信エリアを中心に収穫されています。長野市の北東に位置する須坂市や中野市はブドウ、飯綱町や長野市はりんご、千曲市はあんずの産地として有名です。

県庁所在地であり県下随一の都市部、長野市も周辺地域に行くとのどかな果樹園が広がっています。
長野駅には北陸新幹線がとまり、名古屋まで直通の特急しなのも乗り入れているため、都市部へのアクセスがよく、商業施設や行政サービスも豊富なエリアで、移住者の方も生活がしやすいのではないでしょうか。

果樹に挑戦してみたい方は北信エリアで豊富な情報や体験をすることができるでしょう。

 

色鮮やかな花きは八ヶ岳エリア

チューリップ

諏訪湖から八ヶ岳山麓までの八ヶ岳エリアの農地の標高も標高700m~1200mと高く、冷涼な気候と寒暖差の大きさ、日照率の高さが特徴です。

そんな八ヶ岳エリアは花きの栽培で有名です。長野県のカーネーションやトルコギキョウは全国で1位の収穫量を誇っており、その多くが茅野市や富士見町など八ヶ岳エリアで栽培されています。厳しい気候で育てられた花きは発色が鮮やかで、日持ちもすると言われ、高品質です。

諏訪湖や八ヶ岳など観光資源が豊富なこのエリア。避暑地として以前より人気のある地域のため、移住者も多く様々な境遇の人を受け入れる土壌があります。就農支援も手厚く行っています。

 

 

まとめ

心機一転、移住をして農業を始めたいと考える人もいるでしょう。
経験のないことを始め、軌道に乗るまでにはいくつもの壁が立ちはだかり一筋縄にはいかないけれど、その先には思い描いた暮らしが待っていることでしょう。

農業大国の長野県では野菜、果物、花きなど数多くの農作物が作られています。新規就農者を支援する制度も整っているため、検討する場合は一度上に挙げた支援制度や研修機関に問い合わせしてみてください。

フォレストコーポレーションは長野県内全域で数多くの移住サポートをしてきました。地域に精通したスタッフが転職や地域の気候風土、移住の手順など幅広くお話させていただきます。下のリンクよりお気軽にお申込み下さい。

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