~信州の地質ノート~ 長野県の石って知ってますか?
皆さんこんにちは!
古牧展示場の小林です!
いきなりですが、みなさん、
長野県の『県の石』って知ってますか?
県の花、県の木、県の鳥などは聞いたことがある方、多いのではないでしょうか。
(ちなみに、県の花:りんどう、県の木:しらかば、県の鳥:ライチョウ です)
実は、県の石というものも、各都道府県で認定されているのです!!
◯県の石とは
2016年に日本地質学会が選定した、各都道府県を象徴する石のことです。
一般公募をもとに、
各都道府県で産出する特徴的な石を
岩石、鉱物、化石
の3部門について専門家が認定しました。
今回は、かつて日本地質学会の会員でもあった私が、
長野県の「岩石」「鉱物」「化石」について
ご紹介したいと思います!
◯長野県の石
それでは、さっそく長野県の石を紹介します!
長野県の岩石 : 黒曜石(こくようせき)
長野県の鉱物 : 柘榴石(ざくろいし)
長野県の化石 : ナウマンゾウ
です!
みなさん覚えておきましょう!
と、言われても、なんでこれらが長野県の石なの?
という感じですよね。
これらすべてをお伝えすると長くなってしまうので、
今回は長野県の岩石『黒曜石』について、
お話をしたいと思います。
◯信州の岩石『黒曜石』
名前くらいは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
そう、石器に使われるあれですね。
性質はガラスのようで、割れると鋭い断面になります。
ですから、石器に適していたのです。
黒曜石を割って、刃物にしていたんですね !
いったいどこで見られるのかと言うと、
諏訪湖の北側、和田峠から霧ヶ峰・八ヶ岳にかけて約30km圏内に黒曜石産地が集中しています。
和田峠、星糞峠、星ケ台、麦草峠などがあげれます。
黒曜石は、火山からの噴出物ですので、かつては火山があったことがわかるんですね。
日本は火山大国と言われていて、
黒曜石の原産地は国内に100ヶ所以上あると言われておりますが、
この信州黒曜石の原産地は本州でも最大規模を誇るんです!
そして、おもしろいのがここからです!
この黒曜石が文化までも作っていくのです。
◯元祖!信州ブランド
黒曜石は石器にも使われるとお話しましたが、
その産地の周辺に、
黒曜石を採掘した鉱山や石器を製作した遺跡、
集落の遺跡
などが集中しています。
黒曜石産地のある諏訪地域には、
縄文中期の遺跡が集中しており、その数は3000以上にもなるんです!
これは全国的に見ても圧倒的な数字で、2位の東京都を大きく離しています。
諏訪周辺は当時は大都会だったんですね!びっくり!
そして更に、
信州産の黒曜石が、
北は青森県、西は奈良県まで
石器の原料として使用されていることがわかっています。
信州産黒曜石は、各地に運ばれ、盛んに使用されていたんです!
元祖信州ブランドは黒曜石!と言われるほど、
信州の黒曜石は注目されているのです!
SNSもテレビも宅急便もないこの時代に、これだけ広まっていくということは、
当時はとても価値の高いものだったのではないでしょうか。
当時は、生きるために狩りをしなければいけない環境の中で、
質のよい黒曜石がとても重要だったのではないのかなと感じます。
おもしろい!
これが、黒曜石が信州の岩石に選ばれた理由なんですね。
ぜひ、信州の岩石は黒曜石! とおぼえてくださいね!
ちょっとマニアックな話でしたが、少しでもおもしろいと思った方には、こちらもおすすめです。
◯黒曜石体験ミュージアム
長和町にあります。黒曜石についてたくさん学べます!
詳しくはこちら→HP
ということで、今回は長野県の石をご紹介しました。
柘榴石、ナウマンゾウについても気になる方、
他の都道府県の石も気になる方は、
地質学会HPをチェックしてみてください →こちら
自然豊かな信州ですが、その成り立ちや地質を知ると、
もっと信州を楽しんでいただけると思います!
ということで、これから信州の地質ノートをすこーしずつ更新していこうと思います。
お楽しみに!
私たちは設計士や施工管理士といった建築のプロでありながら、全社員が「信州コンシェルジュ」として豊かな信州ライフをサポートしていきます。
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