別荘地として古くから全国に名を馳せる軽井沢ですが、近年移住先としても多くの世代から注目を集めています。
ただ、移住にはまとまった資金が必要となります。ここでは軽井沢へ移住する際にかかる費用についてまとめてみました。気になる補助金についても調査しましたので、参考にしてくださいね。
目次
- 軽井沢の土地の費用相場【エリア別】
- 軽井沢の別荘地の価格相場
- 軽井沢の生活にかかる費用
- 軽井沢への移住にかかる費用
- 軽井沢への移住で補助金・支援制度は活用できる?
- 家づくりならフォレストコーポレーション
- まとめ
軽井沢の土地の費用相場【エリア別】
一口に軽井沢と言ってもエリアごとに特徴が異なり、それに伴い費用相場も変動します。ここでは軽井沢の各エリアの特徴や費用相場について解説していきます。
旧軽井沢
多くの人が軽井沢と言って思い浮かべる地域がこの旧軽井沢地域ではないでしょうか。
旧軽井沢銀座通りを中心に広がる整備された閑静な別荘地は憧れの的。皇室との結びつきもある由緒ある地域です。
万平ホテルにはジョンレノンが通ったとされるカフェテラスがあるなど、古くから著名人が非日常を求めゆったりと過ごす場としての役割を担ってきた場所でもあります。
このエリアは軽井沢駅の北側に位置し、飲食店やホテルなどの集まった大通りを30分ほど歩いていくと旧軽井沢銀座通りや別荘地に辿り着きます。駅周辺は定住者の多い住宅街、離れるにつれ緑の深い別荘地が広がります。
新幹線の停まる軽井沢駅から車で数分のため、利便性の良い地域でもあります。しかしGWや夏休み期間には避暑に訪れる多くの人で混雑します。
軽井沢を代表するこのエリアの別荘地は軽井沢の中でも最も高額で、土地の坪単価は30万円~です。
南ヶ丘・南原
ここは旧軽井沢エリアに次ぐ高級別荘地として知られる地域です。
古くから学者や文化人が多く別荘を持った地域であり、コミュニティを作って別荘地を共同管理してきました。自然との調和を大切に、私道は未舗装のまま保っています。
著名人や別荘に訪れる人が通うレストランが点在する「グルメ通り」がこのエリアにあり、洗練されたフレンチやイタリアンの味を楽しむことができます。
また旧軽井沢エリアと異なり、観光客が多くないため落ち着いて過ごせる地域です。
軽井沢駅からは車で10分以内、中軽井沢方面にも近くスーパーやホームセンターにもアクセスしやすいため落ち着いた環境ながら利便性も高い地域です。
坪単価は20万円~となっています。
中軽井沢北
このエリアは中軽井沢駅の北側に位置し、軽井沢最大の別荘地を有します。
国設の野鳥の森や千ヶ滝など自然豊かな地域で、温泉も楽しめるなどゆったりと静かに過ごせるエリアです。
星のやが運営するハルニレテラスが代表的な商業施設で、リゾートホテルやペンションなどの宿泊施設も多く点在します。
軽井沢は霧が多く幻想的な雰囲気が魅力の一つでもありますが、湿度の多い環境は洗濯物が乾かなかったり、カビが生えやすかったりと居住にはやっかいな側面も。その点、碓氷峠から距離のある中軽井沢では霧の発生が少なく定住にも適したエリアとなります。
中軽井沢駅まで近いため交通の便がよいでしょう。またエリアの中央を北軽井沢方面へ抜ける国道が通るため、群馬や上田、長野方面のスキー場や温泉地へのアクセスもスムーズです。
土地の坪単価は15万円~となっています。
中軽井沢南
中軽井沢駅の南側のエリアは日常生活に必須のスーパーやドラッグストア、ホームセンターなどの商業施設が多く、定住しやすい地域です。
軽井沢の限りある賃貸物件の多くがこのエリアにあり、お試し移住ができる地域でもあります。
中軽井沢駅から南下していくと大型の公園や美術館などの文化施設、また軽井沢風越公園には多種目のスポーツ施設が整っています。
お子さんがいらっしゃる、スポーツが趣味といった方にもおすすめです。また県外からの入学者も多い幼小中一貫校の風越学園もこのエリアにあります。
軽井沢らしい広々とした街並みですが比較的ひらけた土地で、たっぷりの自然に浸るというよりは生活の便を優先させたい場合に特におすすめです。
このエリアの土地は坪単価8万円前後です。
南軽井沢
南軽井沢エリアは軽井沢駅から南側の地域を指し、アウトレットショッピングモールや広大なゴルフコースが広がっています。
さらに南下していくと別荘地があり、軽井沢らしい静かで緑豊かな環境が魅力です。
エリアの北側には軽井沢駅があり、新幹線で通勤通学ができるため二拠点居住や転職なき移住の場合にも便利です。
一方エリアの南側は碓井軽井沢I.C.に近いため車で中長距離を移動する方にもおすすめです。
商業施設や飲食店は多くないため、自然の中に身を置きのんびりと過ごすことができるでしょう。
土地の価格は軽井沢の中では控えめで、別荘地であれば坪5万円~、駅に近づくにつれ坪20万円ほど幅があります。
追分
追分エリアは軽井沢の西側のエリアで、軽井沢駅からは車で15分ほどの場所にあります。
軽井沢の中では比較的別荘色が薄く、定住者の多いエリアです。御代田町との境にあり、御代田町の市街地、またその先の佐久市市街地へのアクセスがよいため商業施設が生活圏に豊富です。交通の便ではしなの鉄道信濃追分駅があり、通勤通学に使われています。
また軽井沢の最も西にあるこのエリアは最も湿度が低いという点からも、家の管理や生活がしやすく定住向きの地域と言えるでしょう。
追分はその昔、中山道と北國街道の分岐宿として栄えました。
軽井沢の他のエリアにはない、当時の面影が残る趣ある街並みが魅力で、おしゃれで個性的なショップが立ち並んでいます。
土地は軽井沢の中で最も坪単価が低く、坪5万円前後です。
軽井沢の別荘地の価格相場
上の章でご紹介した通り、軽井沢はエリアごとに異なる特徴をもった町です。定住に向くエリアと別荘地とでは生活の便や雰囲気、気候が変わります。
別荘地に絞ってみた場合も同様で、エリアごとに大きく価格が変動します。
最も高額となるのが、旧軽井沢エリアの鹿島の森です。1区画の敷地面積が300坪で2億円~4億円を超える物件も散見されます。
軽井沢の別荘地を代表するブランド力ある別荘地で、古くから皇族や貴族が滞在したステータスを感じられる場所です。土地自体も希少です。
旧軽井沢エリアに次いで高級感のある別荘地が南ヶ丘・南原エリアの別荘地です。価格は敷地面積300坪で1億円~2億円ほどとなっています。
一方、軽井沢最大の別荘地が広がる中軽井沢北の千ヶ滝別荘地は300坪の土地で2500万円前後となっており価格差が顕著です。
南軽井沢の別荘地では300坪で1000万円前後とさらに価格が低くなります。
ただ、ここでご紹介した価格相場は比較的平たんな土地の場合であり、土地ごとの条件により価格が変動するため注意が必要です。
例えば敷地が急傾斜地にある、道路との段差が大きい、木が生い茂り伐採伐根が必要、インフラの整備されていない土地は格安で販売されていますが、造成等に費用がかかります。
気になる土地は一度建築会社に見てもらい、理想の家が建てられそうか、費用はいくらになるか、確認すると良いでしょう。
軽井沢の生活にかかる費用
軽井沢の生活で高額となるのが、意外にも暖房光熱費です。
冬場の冷え込みが厳しい軽井沢では11月~4月、さらにその前後と暖房を使う期間が長くなります。また軽井沢町には都市ガスが供給されていないため、プロパンガスを使用することになり、さらに費用がかさみます。
1人1台の車の所持が一般的な長野県。軽井沢も例にもれず、移動手段は車が主となります。
移住の際には車の購入に加え、車両保険、自動車税、車検代、メンテナンス費用、ガソリン代等がかかります。忘れてはならないのが、凍結する道路に対応できるスタッドレスタイヤの用意や、タイヤ交換費用です。
さらに軽井沢では市街地を除き、下水道が整備されていない地域が多くあります。別荘地では浄化槽の設置が必須となり、設置費用から清掃、点検などの維持管理に費用がかかります。
一方で、都心部と比べた時に節約できるものもあります。
まず住居の費用です。賃貸の場合、都心部と同じ家賃を払えば倍以上広い家に住むことができるでしょう。土地を購入する場合も、エリアによりますが、一等地でない限り安く広い土地を購入することができます。
また野菜や果物などの食費です。農業大国の長野県にあり、周辺地域にも田畑が広がる軽井沢では新鮮で美味しい食材が手に入ります。
資金面で見るとメリットもデメリットもある軽井沢移住。バランスをとって家計を回していきたいですね。
軽井沢への移住にかかる費用
軽井沢へ移住し、生活を立ち上げるためにはある程度まとまった資金が必要となります。
まず住居費用です。賃貸であれば敷金礼金、仲介手数料、火災保険料等が初期費用として必要となります。家の購入や建築であれば土地や物件ごとにその費用。
さらに、車の購入費。軽井沢での主な交通手段は車です。場合によっては1人1台あった方が便利です。
また引っ越し費用。世帯人数や荷物の量、移動距離、季節にもよりますが、数万円~数十万円がかかります。
このように家族構成や移住形態によってもかかる費用が大きく変わるため、移住にあたっては実現したい暮らしと資金計画とを照らし合わせて検討を重ねましょう。
軽井沢への移住で補助金・支援制度は活用できる?
長野県では「UIJターン就業・創業移住支援事業」として、働き手の確保や移住促進のために移住支援を行っています。
対象者は東京圏(埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県)、愛知県、大阪府の都市圏から移住し、県内企業へ就業または創業する方です。単身の場合の支援金は60万円ですが、2人以上の世帯であれば100万円、18歳未満の子どもには1人につき100万円加算と大きな額が受け取れるため、対象者には嬉しい制度です。
市町村ごとに実施されるこの制度ですが、残念ながら軽井沢町は対象外となっています。
ただ、軽井沢町には様々な町独自の補助金があるため該当するものは活用していきましょう。情報はR6年3月現在のものです。
【参考】補助金|長野県軽井沢町公式HP
住宅に関する補助金制度
地球温暖化対策住宅促進補助金
四季折々の表情を楽しめる軽井沢の自然。町ではこの環境を維持しようと、地球温暖化対策に積極的に取り組んでいます。
その一つに、環境に配慮した新築住宅の購入もしくは既存住宅の省エネルギー化改修への補助事業があります。
長野県が交付する補助金に同様の趣旨である「信州健康ゼロエネ住宅助成金」※があり、その交付が決定した場合に町の補助金も受けることができます。申請日から3年以上当該住宅に住むことができる人が対象です。
補助金の額は県助成金の額の2分の1(上限40万円)です。県の補助金と併せて受けられるため、嬉しい補助金ですね。
自動車に関する補助金制度
電気自動車等普及促進事業補助金
上の住宅向け補助金と同様に、環境問題への対策として、電気自動車を購入、またはリース契約により使用する人(個人、また長野ナンバーに限る)に補助を行っています。(中古車は該当しません。)
対象者は町内に1年以上住んでいる人、もしくは1年以上別荘を所有している人のため、移住と共に車を購入する人には向きませんが、買い替え時には使えるでしょう。
補助金額は購入の場合は車両本体価格の10%以内(上限30万円)、リース契約の場合は賃貸借料の7%以内(上限30万円)です。
購入から90日以内、もしくは年度末までに申請します。
太陽光発電に関する補助金制度
住宅用太陽光発電システム等導入促進事業補助金
メリットの大きい太陽光発電システムですが、設置にはまとまった費用がかかるため、補助金は有難いものです。
軽井沢町では太陽光発電システムを設置する人、もしくは設置が済んでいる建売住宅を購入する人で、3年以上継続して設置した家に住むことができる人に補助を行っています。
補助金の額はシステムごとに異なります。補助上限額は以下の通りです。
- 太陽光発電システムのみ設置 20万円
- 蓄電システムのみ設置 20万円
- 電気自動車等充給電システム(V2H)のみ設置 20万円
- 太陽光発電システム+蓄電システム 50万円
- 太陽光発電システム+電気自動車等充給電システム(V2H) 50万円
出産・子育てに関する補助金制度
多子世帯保育料補助金
軽井沢町では子育て支援として、多子世帯の経済的負担を軽減するために第3子以降の保育料に対し一か月6,000円を限度に補助をしています。
対象者は町に住所を有する保護者で、第3子以降の児童が保育園等を一か月以上継続利用する場合に適用されます。保育園を始め、幼稚園や認可外保育園も該当します。
軽井沢町幼児2人同乗用自転車購入費補助
こちらも子育て支援対策の一環として、子ども2人が一緒に乗れる自転車を購入する人に、購入費の2分の1(上限5万円)を補助しています。
対象者は購入日に町に住所を有する人のうち、6歳未満の子どもが2人以上いる16歳以上の人です。申請は1世帯につき1台で、購入日から90日以内に申請します。
不妊治療補助金
高額になることが多い不妊治療。今や数多くの自治体で補助を行っています。
軽井沢町では1年以上町に住む夫婦が該当します。
不妊検査の申請は妻の年齢が40歳以上、不妊治療の申請は妻の年齢が43歳以上とされています。なお、他の自治体で助成を受けた場合は適用外となります。
補助金額として、不妊検査については1回のみ、年度内上限を25,000円とし費用の2分の1を補助します。不妊治療の場合は年度内上限を30万円とし、費用の2分の1を補助します。ただし、同一年度1回の申請とし、通算5回まで申請することができます。
その他の暮らしに関する補助金制度
電動式刈払機等普及促進補助金
敷地面積の広い軽井沢。緑豊かなゆったりとした環境は素敵ですが、お手入れはつきもの。
特に、夏場の雑草の成長速度には目を見張るものがあります。
そんな雑草相手には草刈り機が必須。
軽井沢町では二酸化炭素排出量を実質ゼロにする取り組みの一環としてエンジン式の刈払機から電動式への切り替えを促すために電動式刈払機の購入費用を補助しています。
対象者は町に一年以上住んでいる人、もしくは一年以上別荘を所有している人です。
補助金額は1台につき、購入価格の2分の1(上限5万円)です。
自転車用ヘルメット購入費補助事業
春から秋にかけては自転車移動が心地よい軽井沢。
令和5年に自転車に乗る際のヘルメット着用が努力義務化された一方で、着用率は高くない状況を打破しようと軽井沢町ではヘルメットの購入費を助成しています。
対象者は町民で、自転車用ヘルメット購入費の2分の1(上限2,000円)を補助します。
家づくりならフォレストコーポレーション
フォレストコーポレーションではこれまで多くの方の移住をサポートしてきました。
移住を考え始めた方に、この長野県・信州での暮らしが、よりリアルにイメージできるよう、移住のお手伝いができたらと思っています。
地域に精通したスタッフが担当し、教育/転職/気候/交通/医療など様々な心配事、気になること、移住の手順など個別にご相談頂けます。
ぜひ、お気軽にオンライン相談をご活用ください。
まとめ
風光明媚な別荘地として多くの人々を魅了してきた軽井沢。
近年、働き方が多様化したために、より多くの世代、様々な境遇の人々が軽井沢への移住に関心を寄せています。
ただ、別荘ではなく、住まいを移す場合にはより多くの観点で検討が必要です。
この記事で取り上げたこと以外にも気になることがあれば、軽井沢にも支店を構える当社にお気軽にご相談ください。
私たちは設計士や施工管理士といった建築のプロでありながら、全社員が「信州コンシェルジュ」として豊かな信州ライフをサポートしていきます。
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