定年を迎えて、「今までと違う場所に住んで、ゆっくり田舎暮らしを楽しみたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
今は現役世代で移住を考える人も多くなっていますが、それまでの都市部での生活に区切りをつけて、老後は新たな田舎の地でゆっくり生活する、という年配の方もまだまだ大勢います。
今回は、そんな老後の移住について、知っておきたいポイントをご紹介していきます。
目次
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老後の田舎暮らし・移住のメリット
現役世代の移住には転職や転校といった心配ごとがつきもので、仕事や学校に場所を限定されることも少なくありません。
一方老後に移住をされる方は比較的自由度の高い選択ができます。自分の理想を追い求め、自由に場所を選択でき、そのためにゆったりと時間を使うことができるという大きなメリットがあります。
自然を満喫できる
田舎と都会の大きな違いの一つは自然との距離感です。
豊かな山々や川、海が間近に迫る田舎では四季折々の景色を堪能することができます。
都会の活気ある雰囲気や喧騒もよいですが、空気の美味しい場所で穏やかに深呼吸して生活したい方にはぴったりでしょう。
田舎で自然の多い場所には温泉や景勝地、登山などアクティビティも豊富のため、心身共に健康的な生活を送ることができます。
ストレス軽減
都会は多くの人やモノ、情報で溢れています。
始めは新鮮かつ刺激的だった環境も、年を重ねるにつれ疲れてしまう場面もあるのではないでしょうか。
その点田舎は都会に比べてモノも情報も、人も少ない環境です。
混沌とした環境に感じるストレスから逃れて自分のペースで生活することができます。
居住費の安さ
田舎暮らしは居住費の安さも魅力です。
例として、東京都と移住したい県ランキング1位の長野県で比べてみましょう。
土地の坪単価でみると、東京都世田谷区の平均が314万円であるのに対し、長野市の平均は約22万円で、都心のおよそ10分の1以下となっています。
賃貸でも顕著な差が見られ、世田谷区の家賃相場が1LDKで約15.6万円なのに対し、長野県は1LDKで約9.5万円となっています。(2023年12月現在)
移住先での新たな出会いがある
都市部では他者に干渉しないライトな交友関係が一般的ですが、地方では昔ながらのご近所付き合いが残っている地域もあります。
そうでなくても、畑で採れた野菜や果物のおすそ分けを譲り合うことが日常で、地域の人々との出会いがあるでしょう。
また理想を追い求めて移住した先には趣味趣向が似た人々と出会える可能性もありますよ。
地域のコミュニティに属すとより充実したセカンドライフが送れるかもしれません。
新鮮な食材を使った健康的な食事ができる
地方では都市部よりも簡単に、採れたての新鮮な食材を手に入れることができるでしょう。
スーパーに産直コーナーがあったり、農家さんが直接畑で販売していたりと、様々な形で購入することができます。
都市部では運送の時間がかかったり、加工が必要になったりとなかなかお目にかかれない海産物や農作物もありますよね。
旬の採れたての食材は美味しく、栄養価も高いためぜひ食卓に取り入れたいものです。
食への意識も高まって、健康的な食生活が整うのではないでしょうか。
老後の田舎暮らし・移住のデメリット
メリットの多い老後の移住ですが、当然良い点ばかりではありません。実際に移住した際に予想されるデメリットも確認しておきましょう。
公共交通機関の交通費が高くなる
高齢になると車の免許を返納される方も多いと思います。田舎暮らしでデメリットとなってくるのは、交通機関の本数の少なさです。
都会に比べてバスや電車のアクセスが良くないため、買い物などで不便を感じることがあります。また、店舗も都会に比べて少ないので、必要なものを揃えるための移動距離が長くなり、交通費がかかるといったデメリットがあります。
病院など生活インフラが整っていない可能性
スーパーなどの商業施設のみならず、病院や薬局など生活の上で欠かせない施設が都会に比べて少なく、アクセスしにくいというデメリットがあります。
しかし最近は、高齢のお客さんのために、軽トラックなどを使った出張スーパーや、週に何度か医者が来て診療を行ってくれるような地域も増えていますので、問題は少しずつ解消されてきています。
介護施設の少なさ
いざ介護が必要となった時に、介護サービスが利用できる環境かという点は大切なポイントです。
いつ誰に訪れるか分からない介護の必要性。
年を重ねてからの移住で、家族が遠方にいる場合は特に施設にがあると心強いですよね。しかし地方ではやはり介護施設も数が多くないため、アクセスできる距離にあるか、どんなサービスが受けられるのか、確認しておくと良いでしょう。
地域に馴染めない可能性がある
移住してみて地域が肌に合わないと感じる可能性もあります。長年親しんできた環境を変えるということは大変なことです。
町内会などの人間関係からお祭りなどの地域文化、気候まで、地域特有の違いに疲れてしまうこともあるかもしれません。
引っ越しの経験が少ない場合、移住は心身共に大きな変化となるためストレスを感じる場合もあるでしょう。特に気候がそれまでと異なる場合、体に不調が生じる可能性もあるためお試し移住をしてみるなど慎重に計画しましょう。
移住先選びで失敗しないためのポイント
老後の田舎暮らしで、自分の理想の生活を手に入れられる人もいれば、「失敗してしまった・・・」というケースに陥ってしまう人もいます。
老後の生活で田舎暮らしを成功させるために、いくつか抑えるべき重要な点があります。具体的にはどんな観点があるのでしょうか。早速みていきましょう。
交通機関の本数や場所をチェック
都会であれば徒歩圏内に駅があったり、運行本数が充実していたりと、公共交通機関へのアクセスが容易ですが、地方ではそうはいきません。
地方では移動や通勤をマイカーで行う方が多いですが、近年は高齢者の運転が交通事故を招いたケースも増え、高齢者の免許更新も難しくなっているのが現状です。
移住先を選ぶ際は、駅やバス停へのアクセスと運行本数を確認し、商業施設がある程度整っている地域を選ぶのが得策です。
医療機関は充実しているか?
老後の生活で考慮にいれるべきは、やはり医療機関。
近年は医療機関の発達していない場所に、医者が出張で診療に来てくれる地域も増えています。しかし万一の時のために駆け込める医療機関があるか、確認しておくと安心です。
人口の少ない地域に行けば行くほど、地域の医師不足問題は免れません。持病がある場合や専門医にかかりたい場合は近くに該当の医療機関があるか、予め検討の上移住先を決める必要があります。
趣味の充実
趣味を充実させられるための環境は人それぞれ異なります。
例えば美術やコンサート、様々なグルメを楽しみたいという趣味の方は、都市部にいた方が趣味を深めやすいかもしれません。
一方で山登りや家庭菜園、魚釣りなどを趣味としている方には、田舎暮らしはうってつけでしょう。
趣味の内容は人それぞれですので、自分が老後に楽しみたい趣味がどの場所で実現できるか、情報収集してみましょう。
高齢者施設は整っているか
老人介護施設など、高齢者施設が充実した地域かどうかも視野に入れておく必要があります。近年、高齢者施設や介護士の不足は深刻な社会問題となっており、地域によっては施設に入れない例も出ています。
特に人口の多い都市部でこういった問題が顕著に表れています。地方ではまだ余力もあり、受け入れの体制が整っている場所もありますので、移住後のことを考えてこういった対策を予めしておく必要があります。
老後の田舎暮らし成功のためのおすすめフロー
老後に理想の田舎暮らしを手に入れるために、予めしっかりと準備をし、後悔しない意思決定につなげるポイントが4つあります。以下紹介するポイントを把握したうえで、実際に行動していきましょう。
情報収集や支援制度を活用
自分の思い描く理想の老後移住を実現させるために、移住先の情報収集は入念に行いましょう。
公共交通機関の本数や、公共施設、医療機関の充実など、地域によってその実情は様々です。生活に直結するため、事前の調査は欠かせません。
また、自分の移住希望先に移住支援制度があるか見ておくことも大切です。
昨今は移住者を積極的に受け入れる自治体も多く、助成金給付や農園の貸し出しなど様々なサービスを受けることができます。特に住宅を建てる場合には助成金が出る地域が多いため確認してみましょう。
実際に見てみる
本やインターネットを使っての情報収集は広範囲を網羅し、手軽で便利ですが、現地でしか分かりえないことも実はたくさんあります。実際その地に「住む」ということを想定して、現地の気候や雰囲気など目で見て肌で感じることも大切です。移住を決める前に実際に足を運んでみるというステップを踏みましょう。
賃貸から始める
田舎への移住の際は、まず賃貸を借りて住むことから始めるのも良いと思います。いきなり住宅を購入したあとで、「やっぱり違った・・・」となってしまっては手遅れです。まずは賃貸に住みながら現地の空気を感じ、自分の理想に合った場所かを見極めた上での住宅購入の検討をおすすめします。
資金を確保する
今は「人生100年時代」と呼ばれる時代です。長い老後生活を豊かに過ごすためにも、資金の確保は重要なポイントです。田舎でより理想の生活を送るためにも、年金以外の資金をしっかり用意しておきましょう。
老後の移住先で人気な都市は?
長野県飯田市
「2022年版 第10回 住みたい田舎ベストランキング」(2022年1月4日発売『田舎暮らしの本2月号』掲載)の甲信エリアにおける、シニア世代が住みたいまちで、堂々1位なのが、長野県飯田市です。
飯田市は長野県南部に位置し、東に南アルプス、西を風越山を抱え、中央に天竜川が流れる自然豊かな人口約9万人の都市です。名古屋から車で約1時間半と、特に中京圏からのアクセスが良く、長野県内でも比較的温暖な地域です。
老後の生活の中で、利便性は重要なポイントの一つ。近年はリニア中央新幹線の新駅が設置されることもあり、移住先としても人気が高まっています。
また、長野県は雪や寒さの心配がありますが、飯田市は積雪が少なく、一年を通して温暖な地域です。長野市や松本市と比べて、通年を通して1℃ほど高いため、冬の寒さも安心。雪かきなど、老後の生活に負担になることが少なく、長野県であっても冬を楽しめる暮らしができそうです。
山梨県北杜市
上記のランキングで、第3位にランクインしているのが、山梨県北杜市です。北杜市といえば、八ヶ岳や南アルプスが望め、東京から2時間程度のアクセスの良さが魅力。世代を問わず、移住地として人気のまちです。
老後はゆったりと自然豊かなで景色の良い場所で暮らしたいという方も多い中、北杜市から望む雄大な山々は、日々の暮らしを豊かにしてくれます。
北杜市の人口は、約4.6万人。年間を通しての平均気温が12.1℃で日照時間も長いため、過ごしやすい環境です。また、「ミネラルウォーター生産量日本一」としても知られ、おいしい水で育つ農産物も豊富です。
千葉県いすみ市
首都圏での人気地域は、住みたい田舎ベストランキング(首都圏)第1位の千葉県いすみ市です。いすみ市は、シニア世代、子育て世代、若者世代の3つの世代で全て1位の人気ぶり。
いすみ市は、千葉県南部の房総半島に位置し、人口約3.6万人が暮らす自然環境の良いまちです。海のレジャーを楽しむ観光客も多く、観光地としても人気があります。
東京圏や千葉市街地へ通勤が可能なので、転職をせずに田舎暮らしを始めたい人にとっては、好立地。老後は少しのんびり過ごしたいという方にとっても、関東圏内で田舎暮らしをスタートできるのは移住のハードルを下げてくれます。
実際に移住された方も多く、HPにはインタビュー記事も豊富にあるので、のぞいてみるのもおすすめです。
【参考記事】
【2022年】人気の地方移住先ランキングとは?おすすめの理由や居住環境をご紹介
地域を知る人に相談しよう!
地方に移住すると、それまでのライフスタイルが大きく変化します。
移住を最終決定する前にできるだけ情報を集め、地域の方の声を聞くことが大切になってきます。
移住してみたいけど相談する相手がいない、まず何から始めたらいいかが分からないなどのお悩みのある方は、希望移住先の市町村などに問い合わせてみるのもよいでしょう。
最近では移住支援課などの専門部署をもつ自治体も多くなっているため、移住者向けの情報を多く得られるはずです。
また、地域に密着した住宅会社である私たちフォレストコーポレーションでも、長野県内のリアルな情報を熟知しています。
まずは移住の情報や信州を知るきっかけとして、お気軽にお問い合わせいただけると嬉しいです。
まとめ
老後の移住についてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか?
人生100年時代と言われる今、長い老後をいかに楽しむことができるかは多くの人にとっての課題ではないでしょうか。理想の生活を楽しむために、ポイントを抑えて田舎暮らしの準備をしてくださいね。
また、移住人気ナンバー1の長野県へ移住をお考えの方は、是非私たちフォレストコーポレーションにお問合せ下さい!信州全域で県産材を使った住宅事業を展開する会社として、皆さんの移住をサポートさせていただきます!
私たちは設計士や施工管理士といった建築のプロでありながら、全社員が「信州コンシェルジュ」として豊かな信州ライフをサポートしていきます。
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