こんにちは!諏訪展示場の横地です。
突然ですが、皆さんのお住まいの都道府県には特殊な学校行事や学校ネタはありますか?
ちなみに横地の出身地群馬県は、授業前後の挨拶が「起立・注目・礼」でした。
他県では「注目」はしないそうですね。
なぜこんな話を持ち出したかと言うと、最近新聞で長野県の学校登山に関する記事をいくつか見かけ、こういった記事が載っていることも、そもそも学校登山という行事があることも長野県らしいなと思ったからです。
長野県に住んでいるとよく耳にする学校登山は他県ではあまり聞き馴染みのないものですが、一体どのような行事なのか調べてみました!
~信州の学校登山の始まりは明治時代!!~
長野県の学校登山の歴史は明治時代に遡ります。
当時教師たちの間で博物学が盛んになり、その一環として北アルプスなどの高山にフィールドを広げ「学術登山」が行われていました。
そんな学術登山を通じて自然科学に精通した教師たちが自ら引率して授業や遠足で登山を始めたことが「学校登山」の始まりとされています。
身近に高山があるという地理的要因がやはり大きいようですね。
明治35年には長野高等女学校(現 長野西高校)が2泊3日で戸隠山に登り、これが女学生の学校登山としては国内初となりました。
その後近代登山ブームにより山小屋が多く建設されるようになり、学校登山がより身近な行事として定着していったようです。
~学生たちの行先は...~
長野県内には魅力的かつ登りやすい高山はたくさんありますが、おおよそ地域ごとに登る山は決まっているようです。
主な山は、北アルプスだと燕岳、爺ヶ岳、唐松岳、乗鞍岳。他にも八ヶ岳の硫黄岳や赤岳、中央アルプスの木曾駒ケ岳、御嶽山など。
いずれも日本百名山や二百名山などに選ばれる日本屈指の名山です。
それを授業として登れるのはとても羨ましいです!
中には県内最高峰の奥穂高岳に登る学校もあるようです。なかなかハードですね。
学校によっては自身の体力レベルに合わせて、山頂まで行くコース、中腹で折り返すコースなどを選べるそうです。
~学校登山は存続の危機にある~
ここまでご紹介してきた伝統ある学校登山は、実は今、存続の危機にあります。
その主な要因が教職員の負担です。
働き方改革が呼びかけられる中、学校登山はほとんどが宿泊での行事です。
また、山中での怪我や遭難は死に直結するため、生徒たちや教職員自身の身を守る経験や知識が問われますが、登山経験のない教職員も多いのが現状。
かつては県内ほぼすべての中学校で実施されていた学校登山も、2024年には全体の32%(58校)までに減少しています。
生徒たちからしたら「疲れなくてラッキー!」って感じかもしれませんが、地元の魅力や雄大な自然に触れる機会を失うという意味ではとても残念なことではあります。
そのような状況を受け、近年では県山岳総合センターがボランティアを紹介するなど、学校登山を地域移行する動きが出てきています。
なんとか今後も伝統行事として存続していってほしいですね。