こんにちは。
松本展示場の小澤です。
突然ですが、皆さんは「カラマツ」という木をご存知ですか?
唐松は日本の針葉樹で唯一の落葉樹です。その性質から落葉松と書くこともあります。
北海道や東北地方、長野県などの寒冷な地に適しており、戦後積極的に植林をされてきました。
たくさん唐松の植林が行われてきた長野県ですが、なんと人工林の50%以上はこの木が占めているのです。
驚きの数字ですね!
そして長野県に豊富にある素材ということは…。そう!工房信州の家にもこの唐松材が使われています。
以前はあまり注目されていなかった唐松材ですが、信州に住む私たちにとっては身近にたくさんある木ということで最近では目にする機会も増えてきました。
2015年に開庁した安曇野市の新しい庁舎も、実は唐松材をふんだんに使っています!
そして先日、この唐松材を住宅とは異なった、家具という分野で活用されている工房に取材に伺ってきました。
当社でもよくお世話になっている「atelier m4」さんです。
atelier m4さんは江戸指物を手掛ける「前田木藝工房」の4代目・前田大作さんが2007年に設立をし、地元産の木材を使ったオーダー家具などの製作をされています。
工房までは松本市の中心地から車で約30分。
入山辺の森の中に佇む趣ある建物です。
こちらの工房にて、唐松材の加工の難しさについて体験も交えつつ教えてくれました。
「年輪」という言葉はよく耳にしますが、この年輪とは夏目と冬目からなっています。
春から夏にかけて成長する色の薄い部分を夏目、秋から冬にかけて成長する色の濃い部分を冬目と呼びます。
夏目は柔らかく冬目は硬いという違いがあるのですが、特に唐松材の場合は他の樹種に比べ、その硬さの差が激しいという特徴があります。
前田さん曰く、その差はさながらステンレスとスポンジのよう!
性質が違いすぎるため、いつも通りカンナをかけようと思っても上手くできず、唐松にあった方法でやらなければいけないのです。
広葉樹を用いた家具づくり歴20年の職人さんでも、唐松の加工は全く勝手が異なるため一から学ばなければいけない程だそうです。
実際に木べらの加工の様子を見せていただきました。
わずかな時間でこんなにもなめらかに!
加工が難しいということも素人目にはわかりません。
atelier m4さんが、加工が難しい唐松を使うことになぜこだわっているのか。その理由についても教えてくれました。
それは唐松が信州にふんだんにある素材だからです。
同じように地元の木を大切に使っている方たちがいる、そしてその思いに触れ改めて信州の木を使うことの意味を考えさせられました。
atelier m4さんは入山辺の工房とは別に松本市大手にギャラリーを開設されています。
こちらには作品の一部が販売もされているので松本にお越しの際は、地元の木を使う職人さんの元を訪れてみても良いかもしれませんね。
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atelier m4
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