こんにちは!諏訪展示場の横地です。
3月に入り、暖かい日も増えてきました。
全国各地から早咲きの桜の開花のニュースが届いていますね。
山の中でも福寿草や雪割草など、春の訪れを感じる山野草が咲き始めています。
さて、以前「山の基礎知識」と題しまして、北アルプスと南アルプスを深堀ししてきました。
だいぶ間が空いてしまいましたが、今回は残りひとつの中央アルプスについて詳しくご紹介したいと思います。
~中央アルプスってどんなところ?~
中央アルプスは、天竜川が流れる伊那谷と木曽川が流れる木曽谷に挟まれた木曾山脈の通称名です。
北アルプス、南アルプスと合わせて日本アルプスと呼ばれますが、この3つの山脈の中では最小の規模です。
北アルプス、南アルプスが登山の聖地として人気がある一方、中央アルプスは小規模なこともありあまり登られないことも事実です。
しかしながら、木曾谷側には高級建築用材として重宝される木曽ヒノキの森が広がり、伊那谷側では氷河地形が見られるなど、知れば知るほど奥深い山脈なんです。
最近までは国定公園にすら指定されていませんでしたが、2020年3月に県立公園の範囲をそのままに、国定公園に指定されました。
他にも、雷鳥の復活プロジェクトなど何かと注目を集めています。
~中央アルプスの範囲~
中央アルプスの範囲は諸説あります。
中央アルプス山岳観光協会は最北端を経ヶ岳、最南端を恵那山として南南西に約100㎞の範囲としています。
他にも、地形や地質の連続性から北縁は辰野町の中央本線小野駅付近、南縁は阿智村の清内路付近とする説や、最南端を大入川山とする説などがあります。
ちなみに経ヶ岳はフォレストコーポレーションの本社からも臨むことができ、「経」が付く山としては日本最高峰です。
また、登山地図やガイドブックでは御嶽山を中央アルプスとしてまとめていることが多いですが、明らかな独立峰であり正確には中央アルプスではないとする見方が強いようです。
~中央アルプスができるまで~
ここからは中央アルプスの成り立ちを見ていきたいと思います。
中央アルプスの形成には南アルプスの造山運動が深く関わってきます。
そもそも中央アルプスの基盤となっている木曽駒花崗岩ができたのは約7,000万年前と考えられています。
その後、この地帯全体で地表の上昇が発生し、地表に露出。
そして80~70万年前に隆起した南アルプスに押し出される形で急速に隆起、上昇し3,000m級の山脈ができました。
約6万年前と約2万年前には氷河が大きく発達し、カールやU字谷と呼ばれる氷河地形が形成されました。
中央アルプスの顔とも言える千畳敷カールもこの時期にできたようです。
引用:中央アルプス国定公園公式HP
~おすすめの山~
それでは最後に、中央アルプスのおすすめの山3座をご紹介します。
①中央アルプスの代表格「木曽駒ヶ岳」
中央アルプスの中でも圧倒的人気を誇る木曽駒ケ岳。
人気の理由は標高2,612mの千畳敷カールまでを繋ぐ駒ケ岳ロープウェイにあります。
中央アルプスは麓から稜線上までは標高差約2,000mとかなりあるのですが、ロープウェイで一気に登れることから、多くの登山客が利用しています。
また美しい千畳敷カールは国内外の観光客からも人気で、常に賑わう一大観光地となっています。
ほとんどの地元の方は学校登山での登頂経験があるようです。
②花崗岩が美しい「空木岳」
日本百名山にも選ばれている空木岳は、花崗岩の巨石が多く表出しており、ハイマツの緑とのコントラストがとてもきれいです。
山頂の東側には氷河によって削られた空木カールが広がります。
また、木曾駒ケ岳と空木岳を繋ぐ縦走路はとても人気で、横地も昨年空木岳から檜尾岳を縦走しました。
③中央アルプス最南端「恵那山」
こちらも日本百名山に選定されている名山です。
日本百名山の中ではとても地味な山だと言われてしまっていますが、山頂からは北アルプスや南アルプス、富士山まで臨むことができます。
かつては信仰の対象とされ、現在でも山頂に恵那神社奥社があります。
~地球の歴史を感じるなら中央アルプス!~
中央アルプスは北アルプスや南アルプスと比べると規模が小さく、印象が薄いのが正直なところ。
でも木曾駒ケ岳の千畳敷カールを始め、様々な氷河地形を見ることができます。
そこに立つとどれだけの時間をかけて山が、地球ができてきたのか思いをはせることができるのです!
人が住む里とこんなに近いのに、地球の息吹を感じられることはとてもロマンがありますね!
皆さんもぜひ遊びに来てください!